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平成10年 9月第 4回定例会−09月25日-04号

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  1. 石川県議会 1998-09-25
    平成10年 9月第 4回定例会−09月25日-04号


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    平成10年 9月第 4回定例会−09月25日-04号平成10年 9月第 4回定例会   九月二十五日(金曜日)     午前十時七分開議           出席議員(四十六名)             一  番   下   沢   佳   充             二  番   藤   井   義   弘             三  番   杉   本   栄   蔵             四  番   木   本   利   夫             五  番   紐   野   義   昭             六  番   山   田   憲   昭             七  番   山   田   省   悟             八  番   北   村   繁   盛             九  番   朝   倉       忍             十  番   石   坂   修   一             十一 番   北   野       進             十二 番   小   倉   宏   眷             十三 番   米   田   義   三             十四 番   石   田   忠   夫             十五 番   吉   田   歳   嗣
                十六 番   向   出       勉             十七 番   石   林   爾   郎             十八 番   菊   知   龍   雄             十九 番   和 田 内   幸   三             二十 番   吉   崎   吉   規             二十一番   稲   本   孝   志             二十二番   山   根   靖   則             二十三番   八 十 出   泰   成             二十四番   善   田   晋   作             二十五番   上   田   幸   雄             二十六番   稲   村   建   男             二十七番   長       憲   二             二十八番   角       光   雄             二十九番   長   井   賢   誓             三十一番   矢   田   富   郎             三十二番   宇   野   邦   夫             三十三番   宮   下   登 詩 子             三十四番   庄   源       一             三十五番   川   上   賢   二             三十六番   北   村   茂   男             三十七番   大   幸       甚             三十八番   福   村       章             三十九番   中   川   石   雄             四十 番   宮   下   正   一             四十一番   米   沢   外   秋             四十二番   櫻   井   廣   明             四十三番   河   口   健   吾             四十四番   宮   地   義   雄             四十五番   米   沢   利   久             四十六番   金   原       博             四十七番   池   田       健        ─────────────── △開議 ○議長(長憲二君) おはようございます。  これより本日の会議を開きます。        ─────・──・────── △質疑・質問(続) ○議長(長憲二君) 日程に入り、質疑及び質問を続行いたします。石坂修一君。  〔石坂修一君登壇、拍手〕 ◆(石坂修一君) 今定例会に当たり質問の機会を得ましたので、補正予算に関連した案件を中心に質問させていただきたいと思います。  さて、ことしの長雨、梅雨明け宣言の放棄、そして、いつの間にやら秋の気配が漂うきょうこのごろですが、大きな被害をもたらした洪水を含め、この世界規模での異常気象は我々に警告を与えているような気がしてなりません。本県においても過日の台風七号による集中豪雨は県内に大きなつめ跡を残しました。被災者の皆様方に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。  あちこちで観測史上最高の一時間雨量を数えた集中豪雨ということですが、今後は起こらないという保証はどこにもありません。かねてより河川行政を含めた防災対策の予算は少ないのではと指摘してまいりましたが、今回も結局、後手に回った感がしてなりません。  知事に、まず今回の被害状況を見て、特に河川行政のどこに課題があるとお考えなのかお尋ねします。  また、緊急対策として県としてはどのような措置を講じられたのか。そして、当面の方針をお示し願いたいと思います。  さらに、今回の災害を契機にして、今後どのような施策を展開していくおつもりか、決意をお示し願いたいと思います。  さて、これらの大きな自然の猛威を前にして、あるいは地球全体がバランスを回復するための自然治癒力を発揮しているんだとの見方もできるわけでありますが、経済中心のものの考え方の中で我々が見失ったものは一体何なのか。物質的豊かさのみを追求し、一時はバブルに多くの国民が踊ったわけですが、今そのしっぺ返しが来ているようにも思えます。しかも、そのバブル期のぜい肉をとれないまま、景気回復が最大課題として政治テーマに上っております。公共事業への期待が高まっておりますが、同時に従来のものの考え方からの転換も必要です。  環境の変化や世界経済の不安定さは、今大きな変革の時代が来つつあることを啓示しています。各位も御承知の経営コンサルタントの船井幸雄氏は、これからの生き方のかぎは自然の摂理に従うことと表現しておられます。谷本知事においては、これからの人としての生き方について考えておられることがありましたら語っていただきたいと思います。  さて、行財政の分野でも、今日までのシステムにほころびが見えてきて、構造改革や規制緩和ということが叫ばれております。それは単に行政の枠内での改革にとどまらず、官と民との役割分担の見直しといった点にまで触れなくてはなりません。  そこで、今定例会に提示されております諸施策の中から、幾つか具体的事例に関して知事の考え方をお聞きしておきたいと思います。  第一に、今般、泉保育所の改修がなされますが、この保育所はお隣の県立保育専門学園で学ぶ保母さんの実習場所として、その役割を果たしてまいりました。しかし、現在その実習は何もこの保育所だけで行われているわけではなく、民間保育所でも受け入れられております。したがって、どうしても県立でなくてはならないという必然性も薄れてきているのではないかと思います。  もちろん、保育所に通う幼児の通園距離には限界があり、それぞれの保育所が地域にとって必要なことは理解できますが、県営でなくてはならないということに一つ問題提起したいと思うのです。  金沢市が中核市になって保育行政はほとんど市の所管になりました。入所判定も各保育所へのさまざまな指導監督も市が行っております。しかも全国でも珍しい方ではありますが、本県では民間保育所が非常に育ってきている地域特性があります。  片や県立保育所は泉保育所だけであり、社会福祉事業団が担当しております広岡保育所と二保育所だけが県職員で運営されております。したがって、保母さん等の人事異動も極めて狭い範囲でしか行われないということもあります。  行政のスリム化、あるいは基礎自治体への行政サービスの一元化といった視点からは、見直しを検討してもよい時期に来ているのではないかと考えますが、いかがでしょうか、御所見を伺います。  なお、この際付言しておきますが、広岡保育所は県の行政改革の観点から将来的には廃止の方向も提言されており、定員を絞り込んできているように見受けます。しかし、県庁移転を数年後に控え、地域の実態からすれば、むしろ保育ニーズはふえる方向であり、その敷地スペースから考えても、縮小は実情にそぐわないように思います。あわせて厚生部長の見解を伺っておきます。  次に、金沢市八田で建設が予定されております魚あら処理施設に関連して伺います。  この施設に県は今予算で一億五千万円余の補助金を出す予定になっております。本来、この施設は大野町で民間事業として行われていたものでありますが、においなどの公害防除対策を施さずに推移した中で、地域から何とかしてほしいとの要望があり、行政が乗り出した経緯があります。しかも、魚のあら残は県内各地から集められておりますが、保健所設置市として金沢市にその許認可権があるばかりに、金沢市が主体となって対策を講じてきています。言ってみれば、民間業者のツケを行政がこうむった点も見受けられなくもありません。  そこで第一に、公共関与によって、においの問題は一〇〇%解決すると認識しておられるのか、まず伺います。  さて、この魚のあらかすは畜産のえさのブレンド材料として製品化されますが、その売り先は配合飼料の商社等であります。この仕事は、相場にも左右されますし、利益の追求も必要です。行政マンが簡単にできない仕事であると思いますが、行政のなすべき仕事は何なのかということが問われます。今後、赤字が出たらどうするのか、運営に課題がついて回ると思いますが、県は補助をするに当たってどのように認識しておられるのか、農林水産部長にお尋ねしておきます。  次に、介護保険制度を目前に控え、福祉施設のあり方についてもお尋ねします。  現在、県内では新ゴールドプランに基づいて、各福祉施設が地域ごとの目標値に達すべく設立をされつつあります。しかし、人口の多い金沢市を中心に民間施設がつくられる一方で、過疎地域では公的に同じ役割を期待される施設がつくられつつあります。厚生部長も、さきの代表質問への答弁の中で、過疎地域では新規の民間業者の参入が難しいと答えられました。特別養護老人ホームのように待機しておられる方がたくさんいる施設は各施設がともに共存していけると思いますが、老人保健施設など今後悪い言い方をすれば入居者を取り合いしなければならないようなことも想定される福祉サービスが起こり得た場合はどうなるのでしょうか。  実際、今、老人保健施設グループホームとの提携などさまざまな動きがあり、各施設が存続をかけて介護保険の時代に対応すべく対策を講じております。そのような時代背景を考えますと、確かに過疎地域での施設づくりは民間資金だけでは難しいかもしれませんが、その後の運営に当たっては官と民が競争することも十分想定できる問題です。したがって、福祉サービスの提供においても官と民の役割分担に新しい知恵が必要な時期に来ていると考えるものですが、知事の御所見を伺っておきたいと思います。  実際、グループホームなどでは、行政は入居可能性を秘めた人たちの情報、すなわち特別養護老人ホームへの待機組等を知り得る立場にもあり、民間施設開設者からすれば納得のいかない部分もあると思うのです。できる限り民間の活力を利用するということが行政の肥大化を抑えるわけですから、何でもかんでも行政が主体的に行うのではなく、施設づくりなどの前段階から広く民間に参加を呼びかけるようなシステムがあってもよいのではないかと考えるものです。  厚生部長に、その前提としての福祉ニーズの情報開示など何か方策をお持ちなのか伺っておきます。  また、今般NPOの条例が提出されておりますが、福祉関係のボランティア団体の法人格の取得も予想されます。介護サービスの受け皿として、厚生省は社会福祉法人等をその資格要件としてよく指定するわけでありますが、今後、このNPOによる法人が既存の社会福祉法人等と同等に扱われていくのか念を押しておきたいと思います。厚生部長の認識をあわせてお聞かせください。  次に、住宅供給公社のあり方についても触れておきたいと思います。  さきの質問でも、井上の荘の分譲住宅に売れ残りがあるということが示されました。今後の団地計画に見直しを迫る課題であります。今後の方針について、まず住宅供給公社理事長に、従来どおりなのかどうか伺っておきたいと思います。  さて、団地造成に当たって農業振興地域の宅地化を民間で行おうとすれば、その許可が極めて難しく、公共で行えば税制面での優遇措置もあり、今日、大規模な宅地開発は住宅供給公社が中心になって行ってまいりました。ある面では、安く土地が手に入るのは現在の制度のもとでは当たり前のことです。したがって、行政がやったからより安く住宅が提供できるというのは、一面、民業の圧迫にほかなりません。建設コストのうち民間の利益と住宅供給公社の一般管理費と比較した場合、どちらが安いのでしょうか。また、そのデザインや意匠など、どちらがより顧客ニーズを把握しているとお考えでしょうか。  そのようなことを考えますと、住宅供給公社の業務内容にもそろそろ見直しが必要な時期に来ているのではないかと考えるものです。  仮に現行制度のもとで宅地の取得がどうしても公共でやらなくてはならないにしても、それ以降のことはもっと民間にゆだねることは可能と考えます。開発敷地全体のグランドデザインも含め、コンペ形式で競わせるなど民間のアイデアをもっと引っ張り出す、そのような行政のあり方というものが期待される時代ではないでしょうか。  戦後の住宅難の時代ならともかく、日本全体では世帯数をはるかに超えた住宅数が確保されているのが現実ですから、住宅供給公社の役割というのも時代とともに柔軟に対応すべきと思っております。知事の御所見を伺っておきたいと思います。  質問の第二点として、ごみ処理施設等のあり方についてお尋ねします。  さきの代表質問においても多くの疑問点が出されました。かねてより能登地区においてダイオキシン対策の処方せんとしてごみのRDF化が提言され、私も数年前にいち早くRDF導入を提案しました。以来、議論は現実性を帯びて今日に至っております。  しかし、ごみをRDF化しても、それを燃料として処理しなければ解決したことにならないのは論をまちません。今、志賀町の能登中核工業団地にその専焼炉の立地が県から提示され、それに反対運動が起こっております。迷惑施設と言われるものが身近に来ることをよしとする人はいないでしょうが、それをみずからの問題としてとらえ、理解を示してくれる人は多く存在するはずであります。問題は、みずから解決しなければならないテーマとしてどれだけの人が感じれるかということであります。  そのようなことを考えますと、今回のRDF専焼炉の立地場所の選定に関係市町村がどれくらいかかわっていたのか。そもそも県が案を示すべきものなのかという疑問がわいてくるのです。ごみ処理が金沢市のように単独市町村でできないところは、広域的に事務組合などをつくって今日までやってまいりました。ですから、本来RDF処理施設においても、関係市町村が広域連合をつくってでもみずから主体的に地域選定をすべきではなかったのかと感じます。そうでないと、地域の皆さんはみずからの地域から排出したごみの処理のためだという自覚を持ちませんし、関係市町村の議員は、とりあえず地域エゴが先立って反対の声を出すということになるのだと思うのです。  さきの答弁では、二十四市町村の中央がふさわしいということで、羽咋郡市内数カ所の中から選定したとのことですが、まずお伺いいたしたいのは、関係市町村から第一義的に県に候補地選定の依頼があったのかどうか。また、羽咋郡市内への絞り込みに関係市町村すべての同意があったのかということであります。このあたりがきちっと押さえてなければ、この問題は解決しないのではないかと考えるものですが、環境安全部長にお尋ねしておきます。  どちらにしても、今後も県が主体になって行うことによって解決できるものとの認識であるのかもお聞きしておきます。  なお、この際、能登地区での一般廃棄物の現状とRDF事業の展開に当たって、この専焼炉の稼働のタイムリミットをいつごろまでと理解しておけばよいのかも伺っておきます。  次に、金沢港に関連して二点伺っておきます。  第一に、金沢港運への出資に関してであります。今回、金沢市、金沢商工会議所と協調して県が二千百万円出資することになりました。金沢港唯一の荷受け会社とはいえ、基本的には株式会社です。まず、県はこの企業をどのようにとらえているのか伺っておきます。  次に、今回の出資の必然性について、税金が投入されるわけですから県民に明らかにしていただきたいと思います。また、経営や企業実態についてどの程度県は承知しておられるのかも伺っておきます。  私が心配いたしますのは、第一にケーブルテレビのときもそうでした。たまたま地域に一社ということで県が出資しましたが、これが二社になったらどうするのかなど、将来を考えたときに安易に民間企業への税金の投入というものが批判の対象になりはしないかということであります。  第二に、行政関与の単独企業として経営がルーズにならないかということであります。特に港の活性化ということが叫ばれ、県もポートセールスなど一生懸命努力しておられますが、国内だけを限って見れば、この金沢港は周辺の港と荷さばきで競合しているという事実があります。いわば都市間競争にさらされているということであります。その際、周辺の港と比べ荷さばき料金が高く、これがネックになっているというような課題はないのでしょうか、危惧をするものであります。県は、そのあたりをどのように認識しておられるのか、お尋ねしておきたいと思います。  どちらにいたしましても、最近、全国で自治体の出資法人の行き詰まりが相次いでいます。県の出資法人については、出資比率五〇%未満のものでも、より突っ込んで公開されるようなことが期待されます。現行制度のもとで、これらの法人の経営状況の公開について、知事はどのように考えておられるのか。さらには、県単独でも情報公開に向けて方策を講じるおつもりがないのか伺っておきたいと思います。  この問題の第二点は、石川県漁連が計画しております金沢港での小売店舗のことであります。仄聞したところによりますと、十八店舗が入るビルを建設し、漁業者が小売を展開するとのことであります。流通経路をカットし、生産者が直接魚などを販売するわけでありますから消費者にとっては魅力のある市場が形成されるわけであります。しかし、既存の近江町市場などと競合する販売業者にとっては見過ごせない案件であります。県は、今回の県漁連の事業展開についてどのように考えておられるのか、お尋ねします。  規制緩和の時代でありますから、それでよしとするのか、何か今回の店舗立地に当たり漁連等への働きかけ、また逆に既存商店街からの意見等を聞かれたことがあるのかどうかもお尋ねしておきたいと思います。  最後に、新分野進出企業の販路開拓についてお尋ねします。  知事は、さきの答弁で、新分野へ進出した企業への支援策として、リスクマネーの供給とともに販路開拓にも一歩踏み出す必要があるとの認識を示されました。また、石川県地場産業振興センターが発行しております「Iゾーンニュース」の中でも、景気対策の一環として、「県庁もある面では大口の消費者であり、地場でつくられている製品や物品の購入を前倒ししてでもやっていきたい」との積極的な発言もしておられます。当面の景気対策としての公共事業はとにかく、基本的には新産業の創出等で産業界の活性化と新しい雇用の場を確保していかなければ抜本的な構造改革や景気回復につながらないのは当然であります。しかし、県内中小企業者にとって新製品の販路開拓は決して容易ではありません。しかも、それが公共分野でしか使われにくいものであったら、どうすべきでしょうか。  過日、電子部品をつくっていたあるメーカーが、県の工業試験場とタイアップして抗菌砂を開発しました。県の中小企業創造活動促進法に基づく認定もとりました。しかし、この砂が使えるのは幼稚園、保育所等の砂場しかありません。ところが、このような施設は措置費として補助金が出ておりますが、抗菌砂はいいものとはわかるけれども、そこまで予算が回らないということで現実には普及しません。これはほんの一例ですが、行政の立場からすれば、商工サイドと厚生、総務サイドがともに協調しなければ解決できない課題であります。知事の言う行政サイドでの積極的な支援という視点からは、このような事例にどのように対処していかれるおつもりか伺っておきます。  あわせて、最後に、県内企業の販路開拓にかける知事の決意も改めてお聞きいたしまして私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(長憲二君) 谷本知事。  〔知事(谷本正憲君)登壇〕 ◎知事(谷本正憲君) 石坂議員の一般質問にお答えをいたします。  まず第一点は、台風第七号による被害、とりわけ河川行政についての御質問でございました。今回の被害状況でございますけれども、一つは河川の護岸の決壊によります被災、あるいは河川によりましては堤防を越えて越流をしてきたという、それに伴う被害もありますし、とりわけ市街地の河川の場合は、水路とか道路側溝の排水不良ということがございましたし、少し不幸なことに満潮時と重なったということもございます。そういう意味では、内水排除不良というのが今回の災害では大変特徴的なことでございました。  これは一つには、予想を超えた連続雨量があったという、まれに見る豪雨だったということが原因の一つとしてあるわけでありますけれども、河川行政としても、何というんでしょうか、河川の通水面の断面の確保、あるいは堤防の強化ということがもちろんあるわけでありますけれども、これまでは河川行政というのは、どちらかというと今アゲインストの風が大きく吹いておるわけでありまして、極端な言い方をすれば、むだな公共事業の代名詞のように言われておるわけであります。  こういう災害というのは、五十年に一回とか百年に一回とかということで、その間災害がありませんと、この災害の恐ろしさをともすれば忘れてしまうということでありまして、道路のようにつくればすぐに利便性が向上するというものではありません。大変そういう意味では難しいところでもございます。堤防の整備をしましても、何もなくても当たり前、何か事が起きれば堤防の整備が不十分と、こういうことになるわけでありまして、これはある意味では河川行政の持っている宿命ではないかというふうに思いますけれども、やっぱりこういった災害等を踏まえてみますと、河川改修の促進というものをやはりしっかり腰を落ちつけてやっていかないといけないんではないのかなと。  と同時に、市街地の場合は、河川と連携をした、何というんでしょうか、下水道の雨水幹線というんでしょうか、雨水を排水するような、そういった整備。そして、昔の人はやっぱり知恵があったわけでありまして、河川の周辺には水田があり、その水田が豪雨が発生したときには調整池としての役割を果たしていた。昨今では市街化が進み、そこにどんどん人家が建つようになった。こういう調整池の役割というもの、機能が非常に低下をしてきたと。これは都市化のある意味では宿命なのかもしれませんけれども、そういった調整池などの整備、堤防を強化することはもちろんでありますが、万が一越流をした場合でも、それをさらに第二次の対策として受けとめるような、そういった調整池というものが、かつて水田がそういう役割を果たしていたということでありますけれども、そういった機能の強化というものも必要になってくるのではないのかな、このように思っておるところであります。  当面の緊急対策としては、業者の皆さん方と応急対策工事に関する協定を従来から結んでおります。その協定に基づきまして、今、大型土のうによる締め切りとかシート張り工、あるいは異形ブロックの投入、こういった今応急対策を実施をいたしておりますし、農産物につきましては、大豆への薬剤散布とか野菜への追肥、あるいは病害虫の防除ですね。これが当面急がれる対策でございますし、あるいはため池等ののり面の亀裂箇所をビニールで被覆するとか、そういった補強対策も今やっておるところでございます。  と同時に、やっぱり被災者への対応というのも大変大事なことでございますので、早速にも被災者の特別相談窓口をきょうから十月の五日までとりえあず土日も含めまして開設をする。そして、いろんな御相談に応ずると、こういうことにもいたしておるところでございます。
     そして、公共施設につきましては、国の災害復旧事業等の導入を含めて、早期復旧に努力をしていかなければいけないと、こういうことでございます。  きょう、私にかわりまして副知事が、とりあえずは国の関係機関へ出向きまして今現状の報告をいたしておるところでございます。  今回の災害を契機にどういう施策をとるのかということでございますが、ただいま申し上げたようなことでもございます。治水上の緊急度、重要度というものを勘案して対策をとっていかなければいけない。都市排水対策というものについても、さらに努力をしていかなければいけないと思っておりますが、河川は基本的には道路とは異なりまして自然公物という性格もございますので、一挙にすべてを整備するというのは、これはなかなか予算上の制約というのもありまして難しい問題でございますけれども、いずれにしましても今回の災害を十分反省材料にしまして、より重点的に整備を進めてまいりたいと、このように今思っておりますし、特に今回のように急激に出水をしたということがございます。河川にしましても、警戒水位に達しましてからわずか数十分後には堤防決壊と、こういうふうな状況に立ち至ったということがございますので、まずは人命第一ということが大事であろうというふうに思います。そういう意味では市町村との情報連絡体制の整備もさらに促進をして、人命第一ということを心がけながら、そういった情報ネットワークの整備もさらに進めていく必要があろうと、このように考えているところであります。  そして、知事の生き方についての御質問がございましたが、知事も大変多忙でございますので、なかなか落ちついてそういうことを考えるいとまがないというのが正直なところでございますが、議員御質問のとおり、やはり二十世紀ももう間もなく終わるわけでありますし、戦後も五十年以上が経過をしてきたわけであります。この歩みをやっぱり振り返ってみますと、どちらかといえば、ひたすら物の豊かさを目指して突き進んできたというのが正直なところでありますし、科学技術の進歩というものにも著しいものがあったわけでありますが、どちらかといえば、そういったものに少し過信をするという傾向もなきにしもあらずということでありまして、今御指摘の環境問題取り上げてみましても、地球温暖化ですとか酸性雨の問題ですとか閉鎖性水域の富栄養化の問題ですとか、議員が今取り上げられましたダイオキシン、これも人間がつくり出した代物でありますけれども、そういったものにやっぱり私どもが今脅かされているという状況にあるわけでありまして、これはある意味では人間一人一人のライフスタイルがもたらした環境問題とも言えなくもないわけでありまして、そういう意味では、御指摘のように自然から大きなしっぺ返しを今受けているという状況ではないのかと、このようにも思いますし、やはりこれまでの来し方ということについて改めて大きく反省をしていく必要があるのではないのかなと、このようにも思っておるわけでございます。  一言で言えば、人間らしい生き方と、こういうことになろうかと思いますが、一度しかない人生でございますから、お互い悔いのない人生を送りたいものだと、このように思っておるところでございます。  次に、保育行政についての御質問がございました。泉保育所についての御質問でございますが、これは県立保育専門学園の保育の実習施設として、いわば一体化して運営をしているということでございます。そういった保育所もう民間にゆだねてしまえばいいんではないかというのも確かに一理はあろうかと思いますけれども、やはりここは県立保育専門学園で保母に向けての実習、勉強をしておられる皆さん方に、何といいますか高い能力をつけてもらうという意味では、ここにはベテランの保母も配置をいたしております。指導にはしっかり時間をかけて、基礎的な段階からこういった実習をしていくということが必要であろうというふうに思いますし、すぐそばにもあるということで、きめ細かな連絡調整もできる、実習課程の調整も容易にできる、そういうメリットもございます。大変そういう意味では質の高い保母を養成するのに、この附属施設は大変大きな役割を果たしているんではないかと、このようにも思っておるところでございますので、やはり県立保育専門学園の附属施設としては、この泉保育所はいわば実習の場として必要なのではないのかな、このようにも考えておるところであります。  次に、福祉施設のあり方について、介護保険に関連をしての御質問でありますが、いずれにしましても介護保険制度が導入をされてまいりますと、介護需要、スタート時には四兆円というふうに言われておりますし、平年度化してくるとこれが七兆円規模になるんでないかと、このように言われているわけでありますから、そういった介護需要に機動的、弾力的に対応していく、必要な介護サービスを提供できる、そういった体制の確保が大事でありますので、これは行政だけではなしに、多様な民間事業者の参入はぜひともこれは望ましいことだと考えておるわけであります。  しかしながら、現時点ではなかなか能登を含めた過疎地域には民間の事業者の皆さん方も少ししり込みをして、なかなかお入りいただけないという状況が現実の問題としてやっぱりあるわけでありまして、その場合においても能登地域も介護保険制度が実施されれば必要な介護サービスは、これは住民の皆さん方にやっぱり提供していかなければいけない、こういうことでもございます。そういう意味で、今特別養護老人ホーム、いわば市町村が社会福祉法人として設立をしているわけでありますから、とりあえずはこの特別養護老人ホームを施設介護あるいは在宅介護の拠点として、ひとつ整備活用をやっぱりしていかざるを得ないのではないのかなと。  と同時に、民間の皆さん方にも大都市だけではなくして、こういった過疎地域にもぜひ目を向けて、ひとつチャレンジをしていただきたい。そういうことをぜひお願いしたいと思いますし、民間活力を導入するためのいろんな工夫もあわせてやっていく必要があるんではないのかなと、このようにも思っているところでございます。  次に、住宅供給公社のあり方についての御質問でございますが、住宅供給公社の役割ということについては、恐らく大局的にはいろんな御議論があるというふうに思うわけでありますが、私どもはこの民間ノウハウ等の活用は積極的にこれまでも図ってきたつもりでございますし、井上の荘につきましても、芦原先生の監修も受けながら、要するにバリアフリー化、あるいはマルチメディア化、あるいは団地の電線の地中化、いわばより質の高い住宅環境を県民の皆さん方に提供する、いわば時代の先取りをしながら、より良好な質の高い居住環境、そういったものが整った団地開発、こういったものに今心がけているところでございます。  もちろん、民間のノウハウを導入するということも大事でございますので、民間の事業者の方々にも積極的に参入をしていただくということで、そういう総合住宅展も開催をいたしておるところでございます。  確かに住宅そのものは何ていうんでしょうか、現実の供給が需要をオーバーしているということがございますが、その中には非常に老朽化した住宅、昔、文化住宅と言われた、そういったものも供給戸数の中には入っておるようでございますので、そういう意味では、オーバーしていると言いましても、より質の高い住宅を求めたいという県民の皆さん方のニーズは依然としてやっぱり根強いものがあろうかというふうに思うわけでありまして、そういった意味では、これからも絶えず工夫をしていかなければいけないと、このようにも思っておるところでありまして、これからも恐らく健康住宅の問題、地球環境に優しい住宅、そういったことも当然これから念頭に置いていかなければいけない、このようにも考えておるところであります。  もちろん、議員御質問のように民間コンペ方式等の採用というのは大変大事な視点でありますし、大変有用な方策でもあろうと思いますので、こういったことについても、やはり積極的に検討してまいりたいと、このように考えているところであります。  次に、金沢港運についての御質問がございました。金沢港運は、金沢港が開港するに当たりまして、荷役業務が大変重要という中で、当時も何か数社がこの分野に進出をするという動きがあったようでございますが、当時は法律上、一つの港湾に一社というたがが法律上はめられておりました。これは大変公共性が高い業務ということでありますので、私どもは県と、そして金沢市、そして荷役関係者、荷主関係者とともに出資をして設立をしたというのがそもそもの経緯でございます。そして今、金沢港、これから特にコンテナ港としてその役割をやっぱり果たしていくことが期待をされているわけであります。  今回の増資は、そういったコンテナの通関手続をより迅速に行えるようにということで、いわゆるシーナックスという通関情報処理システムの導入。あるいは御供田の三号バース、あるいは県営の五号上屋、こういったものにつきましては、織物機械等々を含めて金沢港から貨物を出荷する際の保管場所としてどうしても民間の企業の皆さん方からも必要だと、こういう御指摘をいただいておるわけでありまして、貨物需要をふやしていくためには、どうしてもこういった施設も避けられない。こういったものに対応して、金沢港運も専用の荷役機械を整備をしていかなければいけないと、こういう必要に迫られておるわけでありまして、こういう投資に対して今回、金沢市とともに、あるいは商工会議所とともに増資を行おうと、こういうことでございます。  なお、金沢港運の経営状況につきましては、平成九年度は営業収入の面で昨今の景気低迷の影響もございまして四・三%ほど減少いたしておりますけれども、平成四年度から平成九年度までの五年間では、おかげさまで二六・七%、年平均にしまして五・三%の営業収入の増加ということで、比較的順調に推移をしておるのではないかと、かように認識をいたしておるところでございます。  次に、金沢港運、行政関与ということになると経営がルーズにならないかということでありますが、これは三セクでありますが、同時に株式会社という性格も持っておりますので、効率的な会社運営に努めるということは当然のことでありますし、またユーザーのニーズに適時適切にこたえて必要な荷役サービスを提供するということも大変大事なことでございます。そういう意味では、ルーズな経営に陥ってはいけないということはもう御指摘のとおりでございます。  港湾の間の競争も大変激しいわけでございますが、周辺港湾との比較では、港湾の荷役料金は運輸省の認可料金ということに現実の問題としてなっておりますので、同一と、こういうことでございますが、むしろ問題なのは、大阪、神戸、名古屋などの太平洋側の主要港湾、大変航路の数が多いということもございますし、便数が大変多く、そして早いということもあります。そういった意味で、運送コストのコストダウンが図られておるということもあります。そういった意味では、ユーザーにとりましては大変好条件ということであります。そういった意味での優位性は非常に高いということでありまして、これは否めない事実でございますが、阪神大震災以降、陸上の輸送コスト等も含めて、やっぱりトータルコストを考えていこう、そういう動きがこの北陸地域の企業の皆さん方の間でも高まってきているようでありまして、どちらかといえば漫然と商社にゆだねて神戸港、大阪港から貨物を出すという感もなきにしもあらずということがあったようでございます。ですから私ども、ぜひ貨物をお出しになるときには金沢港をもう一度、陸送コストも含めてぜひ御検討いただきたいと、そういったセールスも金沢港運として今積極的に行っておるところでございます。  いずれにしましても、金沢港もある意味では海の物流の拠点という位置づけがございますので、私どももやっぱり側面的な支援をしていかなければいけないなと、このように思っておるところであります。  次に、自治体の出資法人についての御質問がございました。これにつきましては、住宅供給公社、土地開発公社、道路公社、あるいは地方公共団体が二分の一以上出資をしている法人等につきましては、毎年度経営状況を把握をして、毎年度の事業計画、決算等につきましても議会に御報告をしているわけでありますが、県の情報公開条例の中では、県みずからがこの出資法人に関して作成をした文書、例えば出資法人から提出をされた設立の認可申請、定款変更申請に係る起案文書、さらには県の出資比率のいかんにかかわらず法人から取得した経営状況等に関する文書、例えば法令等に基づきまして出資法人が県に提出をする事業計画書あるいは予算書、そういったものを初め、貸借対照表、損益計算書などの財務関係資料、こういったものにつきましては、決裁あるいは供覧の手続が終了して今保管をしているものにつきましては、公開対象文書ということにいたしておりますので、県民の皆さん方から個別に御要請があれば公開をすると、こういうことに相なっているわけでございます。  次に、販路開拓についての御質問がございました。ベンチャー企業の育成には、リスクマネーの提供に加えて、この新製品の販路開拓というのは大変難しい分野でありますけれども、大変大事な分野でもございます。そういった面にも少し踏み込んでやっぱり支援をしていく必要があるんではないか。もちろん、この販路開拓は企業の自助努力というのが大前提であることは間違いないわけでありますが、ベンチャー企業の場合は創業期、間もない企業ということでもございますので、そういった市場開拓、マーケティングは、どちらかといえば弱いという部分があるわけでございますので、その辺は我々も難しい、なかなかノウハウを蓄積できない分野でありますけれども、積極的に支援をしていく必要があろうと、このようにも思っておるところでありまして、これまでも石川ブランド優秀新製品の認定とか、販路開拓のための広告費等に対して助成をするとか、インターネットを通じて全国に紹介をするとか、そういった意味での助成策を講じてきたわけでありますけれども、これからもいろいろな工夫をさらに凝らしていかなければいけないなと、そのように考えているところであります。 ○議長(長憲二君) 藤井厚生部長。  〔厚生部長(藤井充君)登壇〕 ◎厚生部長(藤井充君) 保育行政と介護保険に関連した質問にお答え申し上げます。  まず、広岡保育所についてでございます。広岡保育所につきましては、平成七年十二月に策定をいたしました行政改革大綱の中で、今後、諸条件の整備等を行いながら段階的に廃止することをうたっております。しかしながら、駅西地域は近年、保育ニーズが増加している地域でもあり、地域全体として保育定数を減らすことは難しいものと考えております。今後とも、近隣保育所の入所状況や地域の保育ニーズを踏まえながら運営のあり方について検討してまいりたいと考えております。  次に、福祉ニーズの公開についてでございます。福祉施設の整備につきましては、民間の参入を促進するために福祉ニーズを公開をしていくことも大変重要な要素の一つだと考えております。介護保険制度に基づく基盤整備に当たりましては、現在、県下一斉に実施している高齢者実態調査を踏まえまして、平成十一年度に作成をいたします介護保険事業支援計画におきまして必要量などを明らかにすることにしており、今後その情報を積極的に公開してまいりたいと考えております。  次に、法人格を取得したボランティア団体介護保険制度における取り扱いについてお尋ねがございました。介護保険制度におきましては、法人格を取得したボランティア団体が必要な人員基準、設備基準等を満たし、県の指定する事業者となった場合には、介護保険法に基づくホームヘルプサービスやデイサービスなどの在宅サービスを既存の社会福祉法人と同様に提供することができることとなっております。  以上でございます。 ○議長(長憲二君) 角谷環境安全部長。  〔環境安全部長(角谷征一君)登壇〕 ◎環境安全部長(角谷征一君) ごみ処理施設等のあり方につきまして三点お答え申し上げます。  まず、RDF専焼炉の立地場所の選定につきまして、関係市町村から依頼があったのか、また羽咋郡市内の絞り込みに関係市町村の同意があったかとのお尋ねでございます。専焼炉の立地場所につきましては、市町村と連携し、県がRDF構想の推進に当たってきた経緯から、県において地理的に能登地区の中央部がふさわしいと考えまして、羽咋郡市内で候補地を検討してきたところであります。また、この羽咋郡市内での検討につきましては、RDF化構想の説明を通じて、関係市町村の理解が得られているものと思っております。  次に、今後も県が主体になって行うことにより解決できるとの認識であるかとのお尋ねであります。小規模な焼却施設が多い能登地区において、ダイオキシン発生ゼロを目指すにはRDF化構想による広域的な対応が不可欠であり、関係市町村もこのことを十分認識いたしているところであります。また一般廃棄物の処理は市町村の事務でありますが、県におきましても、この広域的な取り組みを支援することとし、このためRDF事業の中核施設である専焼炉の立地場所について、県において総合的に考慮し検討した結果、能登中核工業団地を候補地の一つとして内々打診し、地元関係者に施設の必要性、安全性等につきまして説明し、理解を求めてきたところであります。  しかし、地元への最初の段階で不適切な対応があったことから、地元関係者に御迷惑をかけており、また、これまで必ずしも十分な説明がなされていない状況にあると思っております。今後、地元関係者にさらに施設の必要性、安全性等につきまして説明し、理解を得る努力を重ねてまいりたいと考えております。  次に、専焼炉の稼働のタイムリミットについての御質問であります。ダイオキシン類の排出につきましては、平成十四年十二月から規制が強化され、厳しい基準が適用されることになっておりますが、能登地区の焼却施設の現状では、この基準をクリアできない施設もあり、能登地区全体のダイオキシン対策としてのRDF化構想が急がれているところであります。しかし、この施設の整備に当たりましては、まず地元関係者の理解が大切であると考えております。今後、引き続き必要性、安全性を説明し、関連調査が早期に着手できるよう理解を得る努力を続けてまいりたいと思っております。  以上でございます。 ○議長(長憲二君) 農林水産部長事務代理、濱名次長。  〔農林水産部長事務代理(濱名久司君)登壇〕 ◎農林水産部長事務代理(濱名久司君) 水産関係につきまして三点お答えをいたします。  まず、金沢市が建設を計画しております魚あら処理施設の補助についてのお尋ねがございました。その経緯につきましては、議員御指摘のようにいろいろあったわけでございますけれども、地域住民から施設の老朽化等に伴いまして悪臭を何とかしてほしいという声が多くなったわけでございます。こうしたことから、金沢市では検討を重ねた結果、悪臭対策あるいは資源のリサイクルというような公益的な側面から、金沢市が国庫補助を受けまして事業を計画するに至ったものでございます。  金沢市からは、機種の選定に当たりまして、悪臭防止法に基づく基準をクリアできることに重点を置きまして、密封構造で、また減圧をしながら臭気を処理する減圧乾燥方式に決定したと伺っております。  さらに、金沢市では地域住民と先進地の視察を行うとともに、地元住民に対する説明会を繰り返し行い、においの問題を含めて地元の理解を得ているという報告を受けているところでございます。  次に、この施設の運営についてのお尋ねがございました。運営につきましては、金沢市の計画によりますと、運営経費を賄う収入は総額一億数千万円。その内訳でございますけれども、市場魚商組合等からの負担金、金沢市からの補助金、そして魚のえさや肥料等としての製品の売上代金と、こういうことになってございます。このうち、収入源の半分近くを占めております製品の売り上げの見通しにつきましては、金沢市が関係業者と十分に検討を重ねたものと伺っております。県といたしましては円滑な運営がなされるよう引き続き指導してまいりたいと考えております。  最後に、県漁連が建設を予定しております水産物仲卸荷さばき施設についてのお尋ねがございました。この施設につきましては、従来、漁協・漁業者が富山県の氷見市場に出荷していた県産魚介類の流出を防ぐとともに、より新鮮な魚介類を県民の方々に提供することを目的といたしております。また、その水産物でございますけれども、現在、金沢港市場の朝せりをベースにするとも伺っております。県といたしましては消費者ニーズにこたえるとともに、漁業者にとっても魚価の安定による漁業経営の安定にも資すると、このように考えております。  今回の施設建設についての状況でございますけれども、魚商組合等からは市内の商店街において売り上げが減少するのではないかという声もございます。県では、こうした点も踏まえまして、県漁連に対して、魚商組合との話し合いにより十分調整を図るよう指導しております。二十二日にも話し合いが持たれたと伺っております。  また、本施設の影響等について、地元の金沢市とも十分協議をしておりますけれども、一つには、主な消費者が近江町市場等と若干異なるんじゃないかというようなことも協議をしております。一方、市内の小売店にとっても新鮮な魚だという県産魚のブランド化というメリットもあるということもございます。今後とも、こういったことにつきまして県漁連に対して金沢市とともに十分調整を図るよう指導をしてまいりたいと、このように考えております。  以上でございます。 ○議長(長憲二君) 沢崎参事。  〔参事(沢崎覚君)登壇〕 ◎参事(沢崎覚君) ニュータウン井上の荘の今後の団地計画の方針についてお答えいたします。  ニュータウン井上の荘につきましては、売れ残りが出ており、それへの対応が求められているところであります。公社といたしましては、緑豊かな公園の整備、美しいまちづくりなどの魅力アップにより、引き続き販売促進を図る一方、住宅の需要、顧客のニーズを把握し、多様な規模の住宅の供給、定期借地権の導入など分譲手法の拡大を検討するとともに、分譲スケジュールにつきましても現状に配慮して柔軟に対応してまいりたいと考えております。  〔石坂修一君発言を求む〕 ○議長(長憲二君) 石坂君。 ◆(石坂修一君) 自席からちょっと再質問させていただきますけれども、知事に、新分野進出への販路開拓について再度お聞きしたいんですが、私が心配いたしますのは、先ほど申しましたように公共分野でしか使えない、そういう製品を開発したときにどうするかということでありまして、民間の事業で使えるものに対しての助成とかは非常に簡単だろうと思うのですが、そのあたり、やはり行政が主体的に動かない限りには、せっかく認定した製品も使えないということになろうかと思います。そのあたりについてどのようなお考えなのかを再度お示しを願いたいと思います。 ○議長(長憲二君) 谷本知事。  〔知事(谷本正憲君)登壇〕 ◎知事(谷本正憲君) ベンチャー企業の皆さん方もいろんな製品を開発されるわけでありますが、公共分野が中心ということになりましても、公共分野だけということで市場が限定されますと、これまたおのずから販路にも制約が出てくるわけでありまして、当然、公共分野ということになりますと石川県だけということじゃなしに全国の地方自治体あるいは政府等々もあるわけでありますから、そういうところへこの製品のよさ、そういったものを大いに企業の方としてもマーケティングを、市場開拓をやる努力を傾注をしていただきたい。やっぱり、その中で我々もその製品を使うことによってこれだけのメリットがあるということを一つの事例としてお示しをするというふうな形では、大いに我々も協力をしていく必要があるんだろうというふうに思うわけであります。  ですから、公共分野を中心に開拓をした製品、技術であっても、それを他にまた応用していくというような工夫もあわせて重ねていただく必要があるんではないのかな、このようにも思うわけでありまして、その辺はお互いによく意思の疎通を図りながら、さらにこの市場開拓が全国に向けて行っていけるような支援というものを私どももやっていく必要があるんではないかと、このように思っておるところであります。 ○議長(長憲二君) 八十出泰成君。  〔八十出泰成君登壇、拍手〕 ◆(八十出泰成君) 冒頭、さきの台風七号によって被害に遭われた県民の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。  「皆さんは沈みゆく「タイタニック」の船上で野球に興じるようなもの。今、この時勢に公費で野球をやるとは発想が古過ぎる。やるなら私費で」とは、この八月二十八日に行われたかながわ・ゆめ国体協賛第五十回全国都道府県議会議員軟式野球大会五十周年記念講演で、ジャーナリストの櫻井よしこ氏が言った痛烈な批判であります。市民オンブズマンもマスコミ各社もこの問題を取り上げ、参加者の名前まで公表する熱心な取材ぶりでありました。この大会に参加した私たちは、まるで犯罪者扱いのように思えてまことに腹立たしい苦い思い出になったのであります。国、地方自治体の厳しい財政事情の中での公費の使い道への指摘に何ら異論を挟むところではありませんが、一方で五十年の間、諸先輩たちが各地方の国体を成功させようと、真夏の炎天下で決して若くもない体にむち打って支援・協力してきたことや、年に一度、超党派で議員間の交流を行ってきた歴史もまた大きな役割を果たしてきた一つであります。事実、我が石川国体では全国の皆さんに大きなお力添えをいただいたのであります。それゆえに公務に近いものと参加を重ねてきたところであります。  この機会に報道の皆さんにお願いいたしますが、どうぞ国体協賛全国都道府県議会議員野球大会の果たしてきた役割もあわせて県民に情報提供していただき、議論を深めていただきたいと思います。前置きが長くなりましたが、早速質問に入りたいと思います。  まず最初に、知事の政治姿勢について伺います。  さきの代表質問で、緊急を要する県政課題について、知事の決断のなさを指摘する声がありましたが、私も廃棄物処理施設への一連の対応をこの間見ながら、それを強く感じてきた一人でもあります。  周知のとおり、南加賀でのクリーンセンター構想、羽咋クリーンセンター構想、そして今回の志賀町能登中核工業団地でのRDF専焼炉建設構想がいずれも反対運動や反対表明によってことごとく計画が宙に浮いてしまっております。今後も環境ホルモン、ダイオキシン汚染に敏感になり、反対の声が大きくなっても決して小さくはならない中、住民に真に理解を求めるためには議場で、「ボタンのかけ違い」とか「住民の皆さんに理解を求める」だけの待ちの姿勢では百満遍唱えても事が進まないのではないでしょうか。  県内の廃棄物処理場の現状や、平成十四年十二月から強化される国のダイオキシン類規制からタイムスケジュール的にいっても一刻の猶予がないわけであります。このような姿勢が先日地元紙が報道していたように、「県が能登工業団地での建設を事実上断念した」との話がまことしやかに広がっていると言います。これではどこで計画しても同じことを繰り返すだけではないでしょうか。こうした一連の対応はみずからが責任を持って事に当たるんだという積極的な姿勢が残念ながら見ることができません。この問題の権限と責任は担当部長でも当該首長でもありません。まさに知事、あなた御自身にあるわけであります。  知事みずからが施設の必要性と安全性、さらに大胆な地域振興策を掲げ、地元住民とのひざを交えての話し合いに臨む姿勢をつくらない限り、この問題の解決はありません。県民本位の県政とは、県民の気持ち次第というのでは逆に無責任な行政になりかねません。最終的には、首長である知事と私たち議会の意思と決断であることを忘れてはなりません。大変厳しい言い方ですが、知事にはもっと強いリーダーシップを発揮していただきたいからこそ、あえて言わせていただきました。改めて、知事のこの問題に対する決意をお聞かせをいただきたいと思います。  いま一つ、かつての中西県政時代には石川県を知り尽くした名参謀、杉山副知事がおいでました。大型プロジェクト事業での住民とのトラブルには、必ずといってよいほど副知事が出向き、県の事業への理解を求めて汗をかいたと聞きます。今の執行部にもこんな人がこんな姿勢が必要なのではないでしょうか。  幸いにも現副知事は本県の生え抜きで、石川県の隅々まで知っておられる方だと思います。各種イベントでの知事のあいさつ代行や報道のいるところでの活躍も大切ですが、住民とのトラブル解決のためにまさに黒子になって汗をかくことも重要な任務ではないでしょうか。このこともつけ加えておきます。  次に、環境行政について伺います。  今ほどの羽咋クリーンセンター構想や志賀町のRDF専焼炉建設構想に対する反対運動や反対表明にも見られるように、ダイオキシン汚染に対する県民の反応は大変敏感になっております。焼却処理量の多さと対策の立ちおくれから、全国各地で高濃度のダイオキシンが検出され、発がんなど人体の影響が問題になっている今、当然であります。県内各地でも建設途上や既に稼働中の埋立処理場、さらに規制枠のない小規模焼却炉に対する不安の声が聞こえてまいります。  その一つ、津幡町莇谷地内に建設された埋立処分場に対して、地元笠谷地区の住民から埋立場に持ち込まれた一般廃棄物焼却灰や下水汚泥の焼却灰が覆土がされず、風雨にさらされ、強風での飛散や降雨時には河川に流れ出すおそれがあると心配されております。また、汚水処理施設の下流の住民には町から説明がなく、埋立場の建設や増設の際には笠谷地区の地権者には承諾をとっているが、住民には説明の場を持っていないと疑問を投げかけております。  以上の地域住民の不安と疑問を解明するためのしっかりした説明を求めておきます。  次に、ラムサール条約と河北潟の浄化について伺います。  先日の地元紙に、県内で野鳥の観察や研究をしている人たちによって河北潟の一年間の水鳥個体数調査結果が第十三回日本鳥類標識協会全国大会の席上で発表し、個体数ではラムサール条約登録湿地としての条件を満たしていることがわかったとの報道がありました。  この報道のとおり、ラムサール条約登録湿地として指定されれば日本で十一番目、本県では片野鴨池に次ぐ指定になるわけで、郷土愛をはぐくむための教育材料として河北潟のイメージアップにつながり、また対外的には観光PRの材料として活用できるのであります。  指定に至るまでのプロセスをお示しいただきたいと思いますし、指定された後の取り組みもあわせてお聞かせいただきたいと思います。  ラムサール条約登録湿地に指定されれば、河北潟の浄化への取り組みがますます重要になってまいります。既に河北潟浄化への取り組みとして、河北潟干拓地内で金沢市と内灘町でヨシやホテイアオイなどの水生植物を使っての研究が開始をされてから既に二年になります。その成果はどうなっているのでしょうか。そして、今後はどのように成果を試していくのか、お聞かせをいただきたいと思います。  また、本年度当初予算で調査費が計上された水耕植物を使っての浄化対策としてのビオパークの取り組みの現状もこの機会にお聞かせをいただきたいと思います。  次に、水産業の振興について伺います。  懸案の日韓新漁業協定は、両国政府の努力によって本日未明、大筋合意がされたようであります。本県のイカ、マスの好漁場として大切に育ててきた大和堆を含めた暫定水域や乱獲による漁獲量を実績とするのではなく、水産資源の維持管理を目指す国連海洋法条約の趣旨に沿った漁獲割り当てなど、本県漁業関係者が強く要望している課題は不満も多く、今後の交渉推移を見なければなりませんが、ともかく双方の譲歩によって大筋合意され、協調への海への第一歩を踏み出したには違いありません。  さて、ことしの日本海石川沖、能登沖での漁業は海の異変で不振が続いているようであります。輪島市漁協のまき網漁が二十年ぶりの不漁に見舞われ、また各漁協のドル箱とも言われるアカイカが姿を見せず、年間百トンを超える県内主要漁協の漁獲高が一トンにも満たなかったと聞きます。九月から解禁になり、期待された底引き網漁も思ったように伸びず、県内各漁協は魚種を問わず漁獲高が振るわず、このままの推移でいけば厳しい漁協経営になりかねません。  この厳しい漁獲高の要因に、海の異変を指摘する人が多くいます。長かったエルニーニョ現象によって海水温が高いせいではないか、昨年の重油流出事故で海の生態系が崩れたのではないかとか、能登沖と佐渡島を結ぶ冷水塊の張り出しが弱く、魚が集まらなくなっているとか、さまざまであります。  既に県当局は依頼を受けて調査を開始していると聞きますが、海の異変についての原因究明の現段階をお聞かせいただき、今後の漁獲量のアップに役立てていただきたいと思います。  次に、土木行政について伺います。  むだな公共事業が財政を圧迫していないかという疑問や批判の高まりに対応して、公共事業の見直し機運が全国的に広がりを見せています。そんな中で県土木はダム事業の必要性などを総点検した結果、県内の河内、所司原両ダムの中止を決め、来年度の概算要求に計上しないことを発表いたしました。  長良川河口堰をめぐる論争等を受けて、九五年度から全国で建設、または計画中のダム事業再評価のために審議委員会が設けられ、本県でも九七年度からダム事業の見直しを進めてきた中での結果でした。  公共事業の実施に当たっては、関係住民にとって必要か不必要なのか、費用対効果の評価、事業内容と環境への影響など、正確な情報の開示と住民の声がきちんと計画の作成、変更、実施に反映される手続を具体化するまでに高まっております。  そこで幾つか伺います。建設省は今春、長期間未着工の事業を見直しして、問題が多ければ中止、または休止する再評価システムを打ち出していますが、本県ではどのように進めていくのでしょうか。また、再評価の目的は事業執行の透明性と公平性の確保にあると思いますし、対象事業はどのような基準で選定するのでしょうか。  さらに、対象事業が各部局にあるとすれば、各部局ごとに行うのか、全庁的に行うのか、お示しをいただきたいと思いますし、再評価をする第三者からなる検討委員会が近く設置されると聞きますが、その構成、人選もあわせてお示しをいただきたいと思います。  次に、警察行政について伺います。  去る八月の二十四日に高知県窪川町沖の太平洋上で九十二キロ、末端価格で約五十五億円相当の覚せい剤が、引き続き九月十五日に愛知県渥美半島にある海岸付近で十四キロ、末端価格で八億円余の覚せい剤が見つかったことが報道各社によって伝えられていました。  警察当局によれば、いずれも暴力団関係者が漁船を使って台湾から密輸しようと海上での受け渡しをねらったが何らかの理由で投棄されたのではとのことであります。さらに、中国製と見られる覚せい剤二百キロが密輸されたという情報が台湾側から寄せられ、警戒を強めていた矢先だったとのことであります。  本年に入って全国的に覚せい剤等の薬物使用が蔓延し、第三次覚せい剤乱用期に突入したとも言われ、大きな社会問題になっております。中でも少年の薬物使用に歯どめがかからないまことに憂慮すべき事態と聞きます。  こうした中、海上で漁船を使っての覚せい剤密輸は海岸線が長い本県でもよそごとではありません。こうした事件を引き起こさせないためにも、万全の警戒体制をとることが求められております。本県に以前にこのような事件、事例があったのかどうか。また、本県における覚せい剤使用の実態はどうか、お聞かせください。あわせて、今後この二つの防止対策をどのように進めていくのか、お尋ねをしたいと思います。  最後に、地元のことで恐縮でありますが、内灘町の新しい文化情報としての内灘砂丘フェスティバルについて伺います。  内灘砂丘や内灘海岸、内灘闘争など多くの文学作品の舞台となった内灘町が初めて文学フェスティバルを本年の十一月に開催をいたします。井上靖の「我が一期一会」、大江健三郎の「独立十年の縮図−内灘」、深田久弥の「火にも水にも」など、内灘や内灘砂丘をテーマにした作品が数多くあります。中でも五木寛之の「内灘夫人」は一九五二年に米軍の内灘試射場をめぐり、全国的な基地闘争となった内灘闘争が舞台であります。その五木さんを企画の総合プロデューサーとして招き、内灘砂丘フェスティバルが開催をされます。五木さんは「内灘闘争が風化する今、もう一回内灘に日本海側の文化圏としての可能性を見出せると思います。今の内灘から何かをやらかすとでも言えるでしょうか。私はそのお手伝いをしたい」と構想を練っておられるそうです。  地方分権構想が具体的日程に上った今日、みずからの住む町の自然、歴史、特性を知り、自治体独自の特色を生かした行政の推進が求められている今、内灘砂丘を題材にした文学を通じて住民の心のふるさとづくりを目指したこの事業に惜しみない御支援をいただきますようお願いいたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)
    ○議長(長憲二君) 谷本知事。  〔知事(谷本正憲君)登壇〕 ◎知事(谷本正憲君) 八十出議員の一般質問にお答えをいたします。  まず第一点は、廃棄物処理施設についての御質問でありますが、一般廃棄物におけるRDF、それから産業廃棄物におけるクリーンセンター、環境行政を進める上で大変大事な課題でありますし、また大変難しい困難な課題でもございます。とにもかくにも施設の立地に当たりましては、地域の住民の皆さん方、とりわけ地権者の皆さん方の理解と協力が不可欠でございます。八割方の地権者の同意を得たから後は土地収用法でということにならないのはこの施設の一番大きな課題でございます。そのためには、やっぱり少なくとも地権者全員の皆さん方にこの施設の必要性、安全性について御説明をし理解を得るということが何にも増して大事なことでありまして、私自身はこのRDF構想あるいはクリーンセンター、これからのごみ処理というものを考えた場合には必要不可欠な施設だということは十分認識をしておりますし、そういった意味での決意もいたしておるわけでございますが、これは決意だけではなかなか事が進まないということでもございます。  いずれにしましても、地権者を含めました地域の住民の皆さん方の理解を得るための努力が必要でありますし、県の担当職員もその努力を積み重ねておりますし、究極的には地権者を含めた皆さん方との人間関係というんでしょうか、そういったものを構築するというところまで事を地道に進めていくということが大事ではないかと、このようにも思っているわけでありまして、担当職員も今懸命の努力を重ねておるところでございます。  したがって、今はまだその段階ではないと思いますけれども、必要な時期が来れば直接事に当たるという決意も当然持っておるわけでございます。  次に、ラムサール条約等についての御質問がございました。河北潟は県内でも議員御指摘のように有数のガン、カモなどの水鳥の渡来地として大変貴重な地域でございます。  県は今、鳥獣保護地区、銃猟禁止区域に指定をしてその保護に努めているわけでございますが、議員御指摘のように、先般日本野鳥の会の会員の皆さん方が一年かけて河北潟と陸上部分も含めてでございますけれども調査をされたようでありまして、その結果、ラムサール条約の登録湿地の基準を満たしているという報告をされたということにつきましては承知をいたしておるわけでございますが、指定手続は国内の候補地を選定をして、国の自然環境保全審議会の諮問答申を経て、ラムサール条約事務局へ登録申請をする。そして、指定がされると、こういうことでございますが、環境庁の国内候補地の選定に当たりましては、一つは水鳥の個体数などのいわゆる条約上の基準を満たすということが必要でありますし、もう一つ大事な点でございますが、国による鳥獣保護区の設定、そして特別保護地区に指定をされるということが前提になっておるわけでございます。  当然、特別保護地区に指定をされるということになりますと、新たな水面の埋め立て、工作物の設置、土地の形状変更等については厳しい制約がかかるということでございます。片や河北潟は干拓地ということでございます。現に営農も営まれておるわけでありまして、現にレンコン等につきましては生産額が二億円ということでございますが、推定ではありましょうけれども、二千万円程度のガン、カモ類等による被害が発生をしておるという現状もありまして、河北潟で営農をしておられる皆さん方にとっては非常に腹立たしい状況が、丹精込めてつくったレンコンがいよいよ収穫というときにガン、カモに食い荒らされる。それが生産額の一割にも及んでおるという話もあるわけでございますので、この辺は非常に腹立たしい思いがしておられるということも現実の問題としてはあるわけでございますので、これは国設の鳥獣保護区、特別保護地区ということになりますと、これは公聴会の手続を踏んでいかなければいけないということでありますので、そうしますと営農をしておられる皆さん方の御意見も当然環境庁としては聞かなければいけないと、こういうことになるわけでありますので、そういう中でそういう土地利用規制に御賛同をいただけるのかどうかという大きな問題があるわけでございます。  片や水面だけに今度は限定をするということになりました場合に、今度はラムサール条約の指定基準を充足するのかどうかという問題が出てくるということでありまして、営農と自然保護との兼ね合いがまさに端的に発生してくる問題でありまして、地元調整にはこれは非常に難しい問題が発生してくるんではないかと。ここが片野の鴨池とは大きく状況が違うところではないかと、このようにも思うわけであります。  なお、指定をされました場合には、理屈の上では国が湿地の保全利用のための措置を講ずるということになっておるわけでございますが、平成五年に指定をされました片野の鴨池につきましては実際は県が地元加賀市あるいは地元の皆さん方と協力をしながら湿地の保全に努めているという状況にあるわけでございます。  次に、内灘砂丘のフェスティバルでありますが、これも八十出議員御指摘のように、五木寛之氏を初め井上靖、三島由紀夫、佐多稲子などの著名な作家の作品の舞台に取り上げられております。そういう意味では、石川県の文化や歴史、広い意味で観光の資源というんでしょうか、そういう意味では大変大切な財産だというふうに思っておりますし、内灘砂丘のフェスティバルは砂丘をテーマに取り上げたイベントということで実施をされるということであります。  国内には鳥取砂丘を初めとして十数カ所の砂丘があるわけでありますけれども、こうした砂丘を題材とした文学講演あるいは音楽を組み合わせたイベントの開催というのは他に例がないと、こういうことでもございます。地元としても、この事業を育てていこうという機運があるようでございますので、大変そういう意味では意義のあることというふうに私ども理解をいたしておるわけでありまして、今回も県として支援をさせていただくということにしたところでございます。 ○議長(長憲二君) 角谷環境安全部長。  〔環境安全部長(角谷征一君)登壇〕 ◎環境安全部長(角谷征一君) 環境行政につきまして二点お答えいたします。  まず、津幡町莇谷地内の埋立処分場の管理の問題と新たな埋立処分場建設に係る地元住民の理解についての御質問でございます。現在、津幡町莇谷地内には河北郡広域事務組合が管理いたしております一般廃棄物の焼却灰の埋立処分場と下水道汚泥の焼却灰の貯留場があります。一般廃棄物の焼却灰の埋立処分場につきましては、焼却灰を加湿した状態で週二回搬入し、翌日覆土をいたしておりますので、焼却灰の飛散のおそれはないと聞いております。  また、雨が降った場合の処分場からの排出水の増大に対応するため、排水調整槽を設け処理を行っており、焼却灰の河川への流出はないと思われますが、今後下水道汚泥、焼却灰の貯留場を含め、施設の管理に万全を期すよう指導してまいりたいと存じます。  また、現在整備が進められております埋立処分場につきましては、河北郡広域事務組合では地元莇谷区長の承諾を得るとともに、処分場下流域の笠谷地区住民への説明を行ったと聞いております。県といたしましては、今後ともこうした施設の整備に当たり地域住民に十分説明し理解を得るよう市町村を指導してまいりたいと考えております。  次に、河北潟での水生植物による浄化の調査研究についてのお尋ねであります。河北潟では平成八年度に金沢市及び内灘町がそれぞれ水生植物であるヨシやホテイアオイを利用した水質浄化施設を設置し、湖沼の富栄養化の原因物質であります窒素、リン等の除去率などの調査研究を実施いたしております。  このうち、金沢市のヨシによる浄化調査につきましては、平成九年度四月から十二月にかけましての調査結果では、窒素の除去率は平均四一%、リンは四二%であったと聞いております。また、内灘町のホテイアオイによる浄化調査につきましては、平成九年度、これは七月から翌年三月にかけての調査結果では、窒素が平均二〇%、リンが三九%の除去率となっており、それぞれ一定の効果が得られたと考えております。  一方、これまでの調査の過程では実質の調査期間がまだ一年強と短いことや、除去率の季節変動が大きいこと、ホテイアオイは北陸では冬季に枯死すること、さらにヨシについては近隣農地への影響もあり刈り取りが必要であることなど課題もあることから、今後さらに調査研究を進めていく必要があると考えているところであります。  以上でございます。 ○議長(長憲二君) 農林水産部、濱名次長。  〔農林水産部長事務代理(濱名久司君)登壇〕 ◎農林水産部長事務代理(濱名久司君) 水産業の振興についてお答えをいたします。  本年の水揚げ量につきましては、議員御指摘のように、アカイカあるいはマイワシなどが昨年に比べまして減少している状況でございます。不漁の原因につきましては、さまざまな要因がございまして十分解明をされていないわけでございますけれども、例えばマダラなどのようにとり過ぎが主な原因ではないかというような指摘がされているものもございます。これに対しまして、回遊性のアカイカのように日本海全体では資源量が十分でも石川県沖ではとれないものもあると、その原因がはっきりしないというのが現状でございます。  県といたしましては、漁業調査船の「白山丸」、「禄剛丸」によりまして潮流、水温の変化、資源状況を把握し、議員御指摘の冷水塊の張り出しなど、海洋環境が漁獲にどう影響しているか、こういった分析に努めているところでございます。  引き続き、国の水産研究所や各県とも連携しながら原因究明に努めるとともに、漁業者に対しましては操業の参考となる各種情報の適切な提供に努めてまいりたいと、このように考えております。  以上でございます。 ○議長(長憲二君) 中島土木部長。  〔土木部長(中島浩君)登壇〕 ◎土木部長(中島浩君) ビオパークについてお答え申し上げます。  水耕植物を活用して水質浄化を図る、いわゆるビオパークの基本構想の取り組みにつきましては、河北潟と木場潟に関して現地調査や分析を行い、また茨城県の霞ケ浦等の先進地調査の実施中でございます。今後は植物の選定や地域住民の意向調査を実施いたしまして、候補地の選定を初め施設の規模や維持管理体制の検討を行い、今年度中に基本構想を策定することといたしております。  次に、公共事業の再評価システムについてお答えいたします。国は公共事業の再評価システムを導入実施しておりまして、石川県に対しましても建設省等から速やかに再評価を行うよう要請されているところでございます。  県といたしましても、公共事業についてその必要性や効率性を再確認しながら進めるために、十月以降、公共事業の再評価を実施することといたしておりまして、現在その実施方法等について鋭意検討中でございます。  土木部における再評価の対象事業でございますが、建設省の基準に準じまして事業採択後五年間を経過した後も未着工である事業、また事業採択後十カ年を経過した後も継続中の事業、さらに事業採択前の準備計画段階で五年間を経過した事業を対象とする考え方でございます。  なお、県の事業につきましては土木部はもとより農林水産部等の事業も対象となりますので、再評価に当たりましてはできるだけ統一した視点で行うべきと考えておりまして、全庁的に行う方向で取り組みたいと考えております。  次に、いわゆる第三者委員会につきましてお答え申し上げます。再評価の実施に当たりましては、客観性や透明性を一層確保するために県担当部局が実施する再評価の内容を第三者により構成する委員会に提示いたしまして、そこで委員の意見を聞き、その上で県としての事業継続等の方針を決定すると、こういったシステムを考えておるところでございます。  お尋ねの第三者委員会の構成は、土木や農林水産の学識経験者を初め経済や環境等幅広い分野の有識者を考えておりまして、人選につきましては現在候補者の選考中でございます。  以上でございます。 ○議長(長憲二君) 永井警察本部長。  〔警察本部長(永井和夫君)登壇〕 ◎警察本部長(永井和夫君) 覚せい剤の密輸事件に関連しまして三点ほど御質問がありましたのでお答えをいたします。  一点は、本県における高知県、愛知県のような事例が本県においてあるのかということでございますが、ちょうど十年前の昭和六十三年の七月に羽咋市の千里浜海岸に約二十キロの当時の末端価格で三十四億円でございますが、約二十キログラムの覚せい剤が漂着をしているのを発見をした事例がございます。それ以降は同種の事例は把握をしておりません。  二点目は、本県における覚せい剤の乱用の実態はどうかということでございますけれども、非常に厳しい状況にあると、抽象的な言い方でございますが、そういう状況にあるということでありまして、具体的には本年に入って八月末までの数字でございますが、既に覚せい剤取締法違反等で四十六人の人間を検挙をしておるということでございます。  当県の特徴でありますが、非常に初犯者の検挙が多いということでございます。これは一つは十年前には覚せい剤一グラム十数万円であった非常に高い金額だったわけでありますけれども、それが現在は数万円で買えるということにも起因をしているかと思います。いずれにしましても、こうした比較的安い金額で手に入るということがすそ野の拡大につながっているのではないかというふうに見ております。  そこで三点目の防止対策でございますけれども、まず水際の対策でございますけれども、当県の地理的条件から見まして今後も同種事犯の発生が懸念をされますところから、愛知県とか高知県、そういったところの例を参考としながら海上保安庁等の関係機関との連携を密にしまして取り締まりを強化をしていくということと、それからやはり長い沿岸線でございますので、既存の沿岸防犯協力会、それから漁業関係者、そういったところにも積極的に働きかけをいたしまして、協力依頼をいたしまして所要の対策を進めていくということにしております。  それから、もう一つの乱用防止対策でございますけれども、これはもとより末端の乱用者を徹底的に取り締まるということと同時に、関係の県警察と連携をとりまして密売組織を摘発をしていくと。使う人間とそれを供給する人間、両方を遮断をしていくということで、密売組織の摘発にも鋭意努めていくということにしております。  それから、非常に初犯型の特徴があるということを先ほど申し上げましたけれども、非常にすそ野が広がっておりまして、中学生、高校生、そういったところがファッション感覚でこういったものを使う傾向がありますので、薬物乱用防止教室とか各種のシンポジウムを開催するとか、それから覚せい剤に対するアンケート調査を実施するとかということを現在やっておりますけれども、そういったことを通じまして本当に覚せい剤というのは恐ろしいものだということを周知をしていくということで現在鋭意取り組んでおるところでございます。  以上であります。 ○議長(長憲二君) 小倉宏眷君。  〔小倉宏眷君登壇、拍手〕 ◆(小倉宏眷君) 去る二十二日、石川県内を直撃した台風七号は短時間の間に加賀地方を中心に局地的な集中豪雨により各地に大きな被害をもたらしました。平成三年の台風十九号による被害にもまさるものと予想されます。被災地の皆様方には心よりお見舞い申し上げます。県各部局におかれては、速やかに復旧作業に取りかかるよう重ねて要望しておきます。  質問に入ります。  能登空港についてお尋ねをいたします。  平成十五年の開港を目指していよいよこの秋ごろから本格的な建設工事に入るようであります。私どもは能登地域の活性化につながるものと大きな期待をしているのであります。しかしながら先日、吉田議員の代表質問にもありましたが、当初の需要予測が非常に危ぶまれ、既に佐賀、大館能代空港が本年七月に開港いたしましたが、いずれも当初予定の半分以下の就航となり、大変苦労しているようであります。長引く景気低迷と航空事業の規制緩和による競争激化によるものと思われ、能登空港の開港は五年後、景気が回復すれば少しはよくなると思いますが、航空各社は不採算路線からの撤退をしなければ生き残りをかけた競争におくれをとることになり、経営の効率化を進めることに航空各社は取り組んでいくことと思います。  先月六日、能登空港建設促進議員連盟が東京で航空各社への陳情にも応対はまことに厳しく、慎重な姿勢を見せているのであります。今まで積極的だった航空会社でさえ、開港時の路線確約はできないと慎重なのであります。果たして開港時に定期便が就航できるのだろうか。決して楽観を許さない情勢にあると思います。  そこで何点か、お尋ねをいたします。  まず、本県が立てた開港時の需要予測三十一万三千人、東京、大阪、名古屋へ計七往復を見込み、先日県側の御答弁では「運輸省の指導のもとに能登地域と大阪、名古屋地域との旅客数を算定し、どの程度の人が航空機を利用するのか、厳しい割合を掛けて算定したもの」とお答えになったかと思いますが、しかし航空機は航空会社が飛ばすのでありまして、運輸省の算定ではありません。航空会社の算定が最も重要であります。航空各社もそれぞれに需要予測をされていると思いますから、お互いにかけ離れていたのではいけないと思いますし、お互いに需要予測に対し突っ込んだ対応をし、航空各社の理解を得るよう積極的な働きかけがトップセールスも含め、最重要課題であると思いますが、具体的にどの程度考えておられるのか、伺っておきます。  また、平成十二年の羽田空港新滑走路が供用されるに伴い、発着枠の確保や着陸料の軽減化はぜひやらなければならないと思いますし、小松、富山空港と連携し、広域観光ルートの創出、フライト農業など、かけ声だけでは航空各社も納得しにくく、早急に明確な答えを出し、ある程度の実績を示し、需要予測に自信の持てる施策も必要かと思いますが、この点についてのスケジュールを伺っておきます。  次に、空港の管理運営費につきまして、先日の御答弁では「詳細な収支見通しについて現時点でお示しできる段階ではない。空港経営は決して楽観を許さない」とのことでありましたが、全国ほとんどの空港は現在赤字経営であると聞いており、能登空港も経営は初めから赤字を覚悟しなければならないと思います。  しかし、能登地域の発展に大きく貢献する起爆剤になれば費用対効果としての意義があろうかと思うのであります。そうかといって、際限のない出費ではいけません。他空港の例から見てアバウトで結構でありますから、どれくらいの赤字を見込んでおられるのか、伺っておきます。  次に、PFI導入についてお尋ねをいたします。  プライベート・ファイナンス・イニシアティブ、すなわち民間主導の公共事業でありまして、イギリスで誕生した公共事業の新しい手法と言われております。民間企業によりプロジェクトの資金調達が行われ、事業の設計段階から民間を参画させることにより、公共事業を大幅に効率化しようというものだそうであります。  日本でも現在、与党ではPFI推進法案が本年五月二十六日国会に提出され、今国会で継続審議中であります。この法律ができれば、我が国においても日本版PFI事業がお目見えすることになると期待をしているのであります。  通産、建設、運輸など各省庁も具体的なプロジェクトの検討に入っているようであります。ある研究機関が四十七都道府県と十二政令市を対象にPFIの意向調査を実施した結果、北海道や岐阜県など十二自治体が「今後導入を検討する」と回答し、PFI法案への関心度について、「多少関心を持っている」が四九%、「大いに関心を持っている」四七%であり、ほとんどの自治体がPFIに関心を寄せているのであります。  関心を寄せる理由は、「財政支出削減など行財政改革にもつながる」との回答が最も多く、「民間事業者の公募・契約方式により官民の責任、リスク分担の明確化が期待される」との理由も目立つのであります。また、PFIの検討組織を既に設置しているのは九自治体あり、近く設置する予定、今後設置を検討するを合わせると十五自治体が設置を予定、または検討する意向であります。  また、関心の高さを反映し、PFI導入に積極的な姿勢を示す自治体も少なくないようでありまして、「今後検討する」と答えたのは北海道、岐阜県、千葉市、神戸市など十二自治体で、「今後検討したい」三十三自治体、合わせると八〇%近くがPFI導入を将来の選択肢として考えているのであります。  PFI導入の対象分野として想定される施設は、廃棄物処理施設がトップでありまして、次いで庁舎など公用施設、公営住宅、教育文化施設、リサイクル施設となっております。  近くの例として、三重県では過疎化が進む東紀州地域の活性化は長年の懸案でありました。海水を利用した療養施設やゴルフ場、新規創業を支援する産業施設を計画しており、第三セクターでは赤字たれ流しが目に見えており、民間ノウハウを生かし、官の負担を事前に契約で明確にできるPFI導入で実現したいとの思いから、同県が開いたPFIの企業公募説明会には東京、大阪、名古屋からコンサルタント、建設会社、銀行などの担当者約百人が詰めかけ、用意したいすが足りず、立ち見も出るほどPFIの関心が急速に高まっているのであります。  また、大阪府は府営駐車場の建てかえや府営公園のプール改装などの工事運営を民間に任せられないか研究を始めており、埼玉県ではパスポートの発給センターとホテル店舗の複合施設で検討に乗り出し、中部国際空港や第二関門橋もPFI導入の方向で提案されていると聞いております。  また、隣県の福井県でも行政改革委員会がPFI導入について提言をしているようであります。本県におきましても、財政難の中、民間活力を利用したPFIの導入が支出削減等行財政改革につながる大きな方策と思います。例えば、いしかわ農業公園の利活用など、PFI導入に適していると思いますが、知事の御所見と具体的なお考えがあれば御披露願いたいのであります。  また、これに関連してでありますが、県内のほとんどの自治体は大幅な財源不足で、公債による依存度がますます高くなってきております。平成九年度本県市町村別公債費比率一五%以上の市町村は全体の六六%であり、財政事情の硬直化が懸念されるのであります。起債制限比率一五%になろうとしている自治体が四団体あり、今後自主的に公債費負担適正化計画を策定しなければなりません。せっかく景気対策のため国から諸事業に対し予算が割り当てられても自己負担の財源が調達できず、起債を起こすことにも起債制限比率の壁に阻まれ、借り入れできない自治体があります。  このようなときにPFI導入を視野に入れた県の指導があってもよいのではないかと思います。PFI導入の最大のメリットは、民間資金を有効に使うということであります。中でもリースバックと呼ばれる方式が有効な手だてとなるのではないかと思うのであります。そうすれば自治体の起債による資金調達が軽減されるからであります。これらについて知事の積極的な御所見をお伺いするのであります。  次に、羽咋クリーンセンターについてお尋ねをいたします。  さきの委員会でも質問をさせていただきました。知事の議案説明要旨では、「地元関係者に万全の環境対策などを説明するとともに先進地視察などを通して御理解、御協力をいただけるよう努めているところである」と言われていますが、そのような単純なことで事はおさまらないのであります。  既に地元千石町では七人の賛成しかねる人が出ております。一方、反対運動をしている方々は一万人の反対署名簿を先般市役所に提出したり、羽咋市議会においても複数の市議会議員の方々が代表、一般質問で羽咋クリーンセンターについて質問が集中し、反対派市議は岩手クリーンセンターの視察を例に挙げ、安全対策が十分行き届いていないとか、賛成派市議は公共関与型施設は安全性が高いなど、意見が真っ二つに割れ、市議会でも公然と反対する意見の数がふえてきているのであります。加えて、別の場所に移転せよとの意見もあり、市長も窮地に立たされているのであります。県はなぜもう少し積極的になれないのか。岩手クリーンセンターでも、現在進行中の新潟県に建設中のエコパークいずもざきについても着工まではトップの並み並みならぬ御苦労があったやに聞いております。  先日の代表質問にもありましたが、いかにトップセールスが大事なのか、おわかりになっておられるのでしょうか。知事の積極的な御答弁をお示し願いたいのであります。  これらに関し、幾つかお尋ねをいたします。  今後、地元千石町と話を進める手だてとして、今までは羽咋市長を先頭にし、県が補佐するような格好で進めてまいりました。このままのやり方ではなかなか解決の道は困難であります。県が全面に出て、市が後支えするようにしなければスムーズな解決が望めないと思いますが、知事の決意のほどを伺っておきます。  次に、地元千石町では地元振興策としてどのようなことを期待していいのか、はっきりしないのであります。地元振興策を具体的にかつ速やかに披露し、皆さんに納得していただけるよう努力すべきと思いますが、この点についてどのように考えておられるのか、お聞かせ願います。  次に、羽咋市議会ではクリーンセンターの移転論も議論されたやに聞いていますが、もし万が一の場合、そのようなことも選択肢として考えておられるのか、お尋ねをしておきます。  次に、地すべり地帯との関係ですが、設置場所は心配が要らないのか、確認をしておきます。  次に、RDF専焼炉について伺います。  先日、我が党の代表質問で、知事は志賀町に対し、「不適切な対応があった。ボタンのかけ違いがあり、地元の皆さんには大変申しわけない」と陳謝をし、さらに「必要性、安全性について地元の皆さんに十分な説明をしたい。地元の理解が大前提である」と述べられています。  そこで何点かお尋ねをするのであります。  地元の理解が大前提なのは言うまでもないことであり、地元の理解を得る手だてについてですが、上意下達的な手法、すなわちある日突然降ってわいたように唐突として発表をする。地元の方々はびっくりするのは当たり前であります。常識では候補地の首長、地元議員に相談を持ちかけ、きちっとした根回しをしながら合意を得た上で発表するのが普通の手法だと思うのであります。秘密主義はおやめになっていただきたいのであります。  何年か前に小松でもボタンのかけ違いで失敗をしたことがありました。この反省に立ち、羽咋では慎重にし過ぎて少しもたもたをしておるようであります。このような迷惑施設と言われる事業では、どうしてもトップが現地に足を運び、即断即決しながら説得に当たらなければスムーズな解決の道が開けないと思うのであります。  また、この専焼炉は平成十四年には法令の定めるところにより、どうしても完成しなければならないタイムリミットを持っております。環境アセスメント調査に一年はどうしても必要と聞いております。急ぎ過ぎてまたぞろボタンのかけ違いをしないよう注意をしていただきたいと思うのでありますが、これからのスケジュールに時間的な余裕があるのか、お尋ねをしておきます。  また、もし時間的に間に合わなかった場合どうなさるおつもりなのか、伺っておきます。  次に、計画をされております専焼炉では五千キロワットアワーの発電をされるようで、一キロワット当たり八円で電力会社へ売電すると聞いております。普通、業務用電力ではキロワット時当たり二十円二十五銭で販売をされております。キロワット時で十二円以上の値段の開きがあります。工場にとって電力料金が安価であることは大きな魅力であります。中核工業団地の工場群に対し、仮に半分の十円で提供するとなれば各工場はこのような大きなメリットを見逃すはずはないと思うのであります。そうすれば反対の声もおさまり、また電力消費の多い企業も誘致しやすくなってくると思います。ただ、深夜電力をどのように消化するのか問題となりますが、発想を柔軟にし、知恵を出し合っていけばおのずと道は開けていくと思いますが、知事の御所見を伺っておきます。  次に、地元の方々はどのような説明がなされようと、迷惑施設という観念を根底に持っております。これを払拭することは困難であり、もし合意がなり設置するとしても何らかの地元振興策を求めてくると思うのであります。特に志賀町は原発立地町であり、こういった点についてはよく承知をしており、避けて通ることができないと思いますが、この点について検討されているのか、伺っておきます。  最後に、農林水産部長事務代理にお尋ねをいたします。農業問題、棚田の保全整備についてであります。  去る九月十七日、食料・農業・農村基本問題調査会の新しい農業基本法に関する最終答申が出されました。三つの政策目標の一つとして、農業農村の有する多面的機能の十分な発揮が挙げられています。そして、その方策として「美しく住みよい農村空間の創造のため、農村地域における計画的な土地利用と施設整備により総合的な整備を行う」ことが提言されています。言うまでもなく農業は農産物の生産を主目的にするものですが、それだけではありません。国土や環境の保全、水資源の涵養、さらには美しい自然景観の維持など大変重要な機能を持っております。例えば輪島市の千枚田や羽咋市滝谷町妙成寺の五重の塔を中心とした棚田の風景は人々に心の安らぎを与えてくれます。  私はそういう意味で、「農業農村の多面的機能の発揮」が答申の政策目標に挙げられたことは非常に意義深いことだと思います。しかし、県土の四分の三を占める中山間地域の現状を考えると高齢化や過疎化が進行し大変厳しい状況であります。特に区画が狭くてのり面が広く、農道も急勾配の棚田、地域での農作業の苦労は並み大抵ではありません。こうした耕作条件をこのまま放置することになりますと、やむを得ず営農を断念する農家がふえるのではないかと危惧されます。また、国土の保全や景観の保持にも影響を及ぼすことになりかねません。  このような棚田地域の農地の荒廃防止や定住の確保、さらにはさまざまな公益的機能の保持という観点から、昨年度創設された棚田地域の緊急保全整備事業を積極的に拡充していくべきだと思います。  そこで、この事業の実施状況とあわせて、このような棚田地域においてどのような営農支援対策を考えておられるのか、お聞きをいたしまして私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(長憲二君) 谷本知事。
     〔知事(谷本正憲君)登壇〕 ◎知事(谷本正憲君) 小倉議員の一般質問にお答えをいたします。  第一点は、能登空港についての御質問でありますけれども、能登空港の需要予測でありますけれども、さきに担当部長がお答えをしたわけでございますが、運輸省の厳しい御指導を受けながら現実を直視をした数値を用いて算定をしたということでありますし、我々もこの間並行してエアラインには就航についての御要請もしたわけでありまして、その時点で航空会社からは就航についての前向きな回答もあったと。これらを総合的に踏まえて運輸省から設置の許可をいただいたと、こういうことでございます。  ただ、昨今、経済情勢が大変厳しくなってきておりますし、規制緩和という状況の中で航空会社が地方路線への就航について慎重な姿勢をとっておられるということは私ども十分理解をしておるわけでありますが、せっかくこういう手順を踏んでここまでこぎつけてきた能登空港でございますから、これをさらに中止をするというようなことになってはいけないわけでございますので、さらにこれを前進をさせていかなければいけない、こういうことでございましょう。  時間距離の圧倒的な短縮という最大の武器を今能登は得つつあるわけでございますから、これをやっぱり今後に生かしていかなければいけない、このようにも思うわけでありまして、状況は大変厳しいわけでございますが、航空会社に対しましては私自身も機会をとらえてお願いをしたいというふうに思いますし、せっかく議員連盟あるいは地元、期成同盟会、いわば三本の矢が一緒になってこれまで取り組んでまいったわけでございますから、その辺のところは航空会社にもこれから精力的に働きかけをしてまいりたいというふうに思います。  五年後はどういう形になっておるのか、私も定かに予測はつきませんけれども、これまで取り組んできた思いをさらに一つにしながらエアラインにもさらに強力に働きかけをしてまいりたい、このように考えているところであります。  あと、利活用については今地元期成同盟会で観光、農林水産あるいは保養・福祉、交流・イベント、そういったテーマごとに専門委員会も設けていただきまして、ぜひとも実効性のある利活用策、その具体化に向けての検討を進めていただいておるわけでございますが、我々もせっかく開港までには四年ないし五年の期間があるわけでございますから、この間に広域観光ルートの創出、そういった面にもより具体的に取り組んでいかなければいけないと、このようにも考えております。  つい先日も、東京の旅行会社、航空会社の商品企画担当者等との方々にもおいでいただいてモデルツアーも実施をしたところでありますし、能登の農林水産品の活用ということについては現にまだ能登空港ができておりませんので、小松空港を活用した試験空輸、そういったことにつきましても実際これを実行するに際しては販路の確保ですとか取扱窓口の一本化ですとか代金回収のリスクの回避、こういった問題があるわけでありますけれども、こういった調整もひとつ生産者団体あるいは市場の皆さん方と調整を進めながら、ひとつこういう試験的なフライトも早い時期に実施をしたい、このようにも思っておりますし、また新たな特産品の開発等の具体的な活動も能登のそれぞれの地域で活発化しておるわけでございますので、ぜひこういった商品のPR等も積極的にやっていかなければいけないな、このようにも思っておるところであります。  次に、PFIについての御質問がございました。今現在、法案は国会で審議中ということでございますが、民間の技術力、経営力あるいは資金力、こういったものを活用して新たに社会資本の整備をやっていこうということであります。今、国会で審議がされておりますので、我々も十分関心を持っているところでございます。ただ、民間企業が資本投資ということでございますから、採算性は当然前提になってくると、こういうことでもあろうと思います。  いしかわ農業公園を例に引いての御質問がございましたが、このいしかわ農業公園につきましてはさきの庄源議員の御質問にもお答えをしたわけでございますが、この公園自体の将来の利用方法につきましては、一つは農林水産省の関係の補助金が現に投入をされているということもございますし、平成七年には基本構想、まだオーソライズはされておりませんけれども、そういったものが策定をされておるということもございますし、いずれここ数年の間に津幡バイパスあるいは月浦から白尾までの高規格道路も整備をされるということもございますので、この利活用につきましてはその辺もにらみながらひとつ検討を重ねてまいるということがまず第一段階であろうというふうに思っております。  いずれにしましても、そういう具体的な利用方法が決定をされた段階でPFIなるものが公園の整備にも適用されるのかどうか、あわせて検討もしてまいりたいと、このように考えているところであります。  次に、市町村への適用という話がございました。起債制限比率が一五%を超えるからといって直ちに起債の許可に制限が加えられるというわけではないわけでありますが、ただ高い団体は公債費負担の適正化計画を策定していただいて、公債費負担の軽減を図っていただくということも大変大事でございます。  御質問のリースバック方式は既存の公共施設を民間企業に売却をして、当該民間企業から借り上げるという方式であろうと思います。既存の施設をそのまま使用することができるというメリットもありますし、売却代金によって地方債の繰上償還ができるというメリットもあるわけでございますが、ただあわせて借上料も払わなきゃいかぬということでありますから、これは単に公債費という歳出科目から借上料という歳出科目に単にかわるだけでは余り意味がないんではないかと、このようにも思うわけでありますので、いずれにしましてもPFIによる整備手法につきましては私どもも注目をしているところでございますので、市町村におけるPFIの導入につきましても当然検討すべき課題であろう、このように考えているところであります。  次に、羽咋のクリーンセンターについての御質問がございました。先ほどもお答えをしましたが、羽咋クリーンセンター、公共事業とは性格が異なりまして、強制的な収用措置がとれないということでございますので、あくまでも地権者全員の御理解と御協力が不可欠でございます。そういう意味では手順を踏みながら一歩一歩着実に進めていくということが大事であろうと思いますし、もちろん必要な時期が来れば私自身が直接事に当たるということも念頭にあるわけでございます。  福水町につきましては説明すらも聞く耳は持たないと、こういうことでございましたので、説明をする機会すら与えていただけない、こういうことでございますので、福水町は対象から外さざるを得ないなと、こういう判断をいたしたわけでありますし、羽咋の市長さんも同じ思いであったわけであります。  あとの千石町につきましては、今地元の住民の皆さん方に御説明をし、岩手クリーンセンターの御視察もいただいておるということであります。同意等につきましての作業を今やっていただいておりますが、議員御指摘のようにまだ七戸の方が反対ということでございますので、これら七戸の方、うち地権者が三名おられるということでございますから、お一人お一人丹念に御説明をし、御理解を得るという努力が必要であろうと思います。  何よりも地元に精通をした羽咋市の全面的な協力が不可欠であろうというふうにも思うわけでありまして、そういう意味では羽咋市の意向等も十分踏まえながらこれまでも努力をしてきたところでありますし、これからもひとつその努力を傾注をしたいというふうに思っているわけであります。  とりわけ、これから産業廃棄物の主流をなすものの一つとして、公共下水道から出る下水道汚泥、これは産業廃棄物ということになるわけでありますので、市町村がいわば産業廃棄物の排出事業者ということにもなってまいりますので、そのことは羽咋の市長さんもまさに自分のこととして十分念頭に置いておられるようでございます。  いずれにいたしましても、地域振興策が必要ではないかということでございますが、この点についても我々十分念頭に置いていかなければならないというふうに思います。その地域の皆さん方の生活の利便性の向上、これが基本であろうというふうに思います。そのためには地元皆さん方の思い、あるいは地元羽咋市の意向、そういったものを十分尊重しながら、これから具体的な振興策についても地元と十分協議をしてまいりたいというふうに思うわけであります。  次に、羽咋クリーンセンターの立地場所についての御質問でありますけれども、千石町での立地に向けて今理解と協力を得るための努力を重ねているところであります。当面、その努力をさらに羽咋市長さんとも連携をとりながら続けてまいりたい、このように考えているところであります。  次に、RDFの専焼炉についての御質問、タイムスケジュールについてでありますけれども、平成十四年の十二月からダイオキシン類の排出規制が強化をされ、厳しい基準が適用されるという厚生省の意向が示されているわけでございますので、それが一つのタイムリミットということであろうというふうに思います。この基準を現在の状況ではクリアできない施設もございますので、能登地域全体のダイオキシン対策ということでRDF化構想が急がれているわけでございます。  しかしながら、これも地元の関係者、とりわけ地権者の方々の理解と協力が必要ということでございますから、議員御指摘のように拙速に走ってはもちろんいけないわけでございますので、必要性、安全性を十分御説明をしながら早期に調査着手できるように努力を続けてまいりたいというふうに思います。  ただ、私どもやっておりますことは能登の市町村も同じでございますけれども、ダイオキシン一掃ということについての努力を傾けているわけでありますから、国の言っておられるタイムリミットについても、場合によっては弾力的な対応をお願いをしていくことも当然必要であろう、このように考えているところであります。  次に、発電した電力を志賀町の工業団地に提供してはという御質問でございますが、これもなかなか難しい問題がいろいろあるようでございまして、現在の電気事業法ではこの施設は特定電気事業者としての許可がまず必要になるということでありまして、その許可の際には需要に応じた供給ができるということが条件になっておるわけでありまして、RDFの専焼炉の発電の部分につきましては年一回必ず定期定検を行わなければいけないと。そのためには運転停止をしなければいけない。その間、発電ができないということでありますから、需要に応じて継続して電力を供給できない。したがって、この許可要件を充足しないと、こういうことに相なるそうでありまして、現行制度では団地の企業に直接売電する特定電気事業者には現行法上はなり得ないと、こういう制度上の大きなハードルがあるわけであります。  ただ、今国の方では電気の小売事業化が検討されておりますが、これも大規模事業家を対象にしたものでありまして、能登中核工業団地内の小規模な企業を対象とする小売の自由化の検討までにはまだ至っていないという状況もあるようでございます。  いずれにしましても、さらに電気の小売事業化を大幅に進めるという議論を国の方でももっともっと進めていただきたい、そのことを我々も期待をいたしておるところでございます。  次に、RDFに関連しての地元振興策でありますが、正直申し上げてまだ具体的な振興策を検討し提案をできるという段階までにとても至っていないという状況でありまして、早くそういう地域振興策が提案できる段階に至ればいいなと、こういう思いが正直言ってあるわけでございますけれども、地元の志賀町の町長さん、あるいは志賀町の皆さん方とも十分連携をとりながら、こういう提案ができるように作業を進めていきたいな、このように思っているところであります。 ○議長(長憲二君) 荒川企画開発部長。  〔企画開発部長(荒川敦君)登壇〕 ◎企画開発部長(荒川敦君) 能登空港の維持管理費の収支見通しについてお答えをいたします。  能登空港につきましては、需要予測で開港時において一日七往復の便数を見込んでおりますものの、昨今における着陸料の軽減化の問題ですとか空港管理の方法について具体的な検討がこれから必要であるということでございまして、収入、支出、いずれも確定が現時点ではできませんので、収支見通しをお示しすることはできないことをまずは御理解いただきたいと思いますけれども、島根県の石見空港、出雲空港ですとか、山形県の庄内空港、山形空港など他の地方空港を見てみますと、どうも二、三億円程度の赤字は出しているというようなことでございまして、空港経営は決して楽観を許されないものと考えております。  したがいまして、能登空港の維持管理につきましてはそうしたよその空港の例を十分参考にといいますか、学びながらむだのない管理方法について考えていかなければいけない、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、議員御指摘のとおり能登空港は大都市圏との時間距離の短縮を図りまして、人、もの、情報の交流を促進することで地域の発展に大きく貢献する起爆剤でございますので、今後能登空港を通じました能登地域の振興に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 ○議長(長憲二君) 角谷環境安全部長。  〔環境安全部長(角谷征一君)登壇〕 ◎環境安全部長(角谷征一君) 羽咋クリーンセンターの建設候補地について地すべり地帯と関係はないかとの御質問にお答えいたします。  羽咋クリーンセンターの建設候補地は地すべり防止区域に指定されていない地域であります。なお、同候補地につきましては平成六年から八年にかけまして地形地質調査を実施いたしており、この調査で小規模な地すべり箇所が確認されましたが、現在は落ちついている状況であり、また通常の地すべり対策工事で対応は十分可能でありますので、問題はないと考えております。  以上でございます。 ○議長(長憲二君) 農林水産部、濱名次長。  〔農林水産部長事務代理(濱名久司君)登壇〕 ◎農林水産部長事務代理(濱名久司君) 棚田の保全整備と営農支援対策についてお答えをいたします。  平成九年度から実施をしております棚田緊急保全整備事業につきましては、従前の補助事業では対応できなかったような小規模な区画整理であるとか農道、暗渠排水の整備、こういったものに対して助成するものでございます。  事業の実施状況でございますけれども、昨年度の三カ所に新たに本年度六カ所を加えまして七尾市や輪島市など九カ所で実施をいたしております。  また、棚田地域における営農でございますけれども、農林総合事務所、市町村、JAが一体となりまして、例えば担い手グループの育成であるとか、味のよいコメづくり、あるいは野菜やキノコ等の特産物との複合的な経営、こういったことに対して支援をいたしております。  県といたしましては、議員御指摘の棚田が果たしている県土の保全や環境の維持と、こういった公益的な役割も考慮しながら、農作業に対する労力の軽減あるいは加工直売など付加価値の高い農業の実現を目指します地域に対して、今後とも積極的に支援をしてまいりたいと、このように考えております。  以上でございます。        ─────・──・────── △休憩 ○議長(長憲二君) 暫時休憩します。   午後零時二十三分休憩        ─────・──・──────  午後一時二十五分再開           出席議員(四十三名)             一  番   下   沢   佳   充             二  番   藤   井   義   弘             三  番   杉   本   栄   蔵             四  番   木   本   利   夫             五  番   紐   野   義   昭             六  番   山   田   憲   昭             七  番   山   田   省   悟             八  番   北   村   繁   盛             九  番   朝   倉       忍             十  番   石   坂   修   一             十一 番   北   野       進             十二 番   小   倉   宏   眷             十三 番   米   田   義   三             十四 番   石   田   忠   夫             十五 番   吉   田   歳   嗣             十六 番   向   出       勉             十七 番   石   林   爾   郎             十八 番   菊   知   龍   雄             十九 番   和 田 内   幸   三             二十 番   吉   崎   吉   規             二十一番   稲   本   孝   志             二十二番   山   根   靖   則             二十三番   八 十 出   泰   成             二十四番   善   田   晋   作             二十五番   上   田   幸   雄             二十六番   稲   村   建   男             二十八番   角       光   雄             二十九番   長   井   賢   誓             三十一番   矢   田   富   郎             三十二番   宇   野   邦   夫             三十三番   宮   下   登 詩 子             三十四番   庄   源       一             三十五番   川   上   賢   二             三十六番   北   村   茂   男             三十七番   大   幸       甚             三十八番   福   村       章             四十 番   宮   下   正   一             四十一番   米   沢   外   秋             四十二番   櫻   井   廣   明             四十四番   宮   地   義   雄             四十五番   米   沢   利   久             四十六番   金   原       博             四十七番   池   田       健           欠席議員(三名)             二十七番   長       憲   二             三十九番   中   川   石   雄
                四十三番   河   口   健   吾        ─────────────── △再開、質疑・質問(続) ○副議長(向出勉君) 会議を再開し、休憩前の議事を続けます。紐野義昭君。  〔紐野義昭君登壇、拍手〕 ◆(紐野義昭君) 質問の機会を得ましたので以下数点にわたりお尋ねをいたします。  先般九月二日より石川県議会日韓親善友好議員連盟の大幸団長以下八名の一員として韓国・ソウルを訪れました。そこで印象に残ったことが幾つかあったのであります。  一つは、観光需要が最盛期の半分以下に減ったということにあらわれている韓国の経済事情の深刻さであり、二つ目は折しも起こった北朝鮮のミサイル発射問題に対して、「一番情報が入らないのは韓国民である」という金守漢韓日親善協会会長の言葉でありました。そして、三つ目は小松−ソウル定期便就航の可能性を探りに行った大韓航空本社で聞いた大分県平松知事のトップセールスとしての大変熱心な姿でありました。それは数年前、九州の幾つかの路線を廃止する状況になったとき、平松知事は直談判に何度も飛んでこられ、そのことにより大分線が残る決め手となったというエピソードでありました。そういえば、平松知事の「月に何回も東京に行くのは国の予算獲得から企業誘致のトップセールスまで、知事の私が足を運ばなければ事が進まないからです。県庁で私が一番奥に控えていては職員のやる気一つとっても出てこない。私は、大分県政の切り込み隊長です」との談話を以前新聞で見たことがあります。  二月の定例会において、私の「厳しい都市間競争に打ちかつには知事の本当のやる気が必要」との質問に知事は、「アンテナを高く」との答弁があったわけでありますが、名知事と言われる平松知事のこの姿勢についてどう思われるか。また、石川県のトップセールスとしての知事の決意をお伺いするものであります。  また、後藤田正晴氏によると、「知事というトップリーダーには地方の声を中央に反映させる力、東京での発言力が必要である。県民の代表として、自民党でなく、たとえ県民党であっても政府や時の与党にしっかり物を言い、県民の願いを実現させることができるかどうかが重要である」と言っておられます。谷本知事は以前より県民党という立場を標榜しておられるわけでありますが、常々政権与党との関係について言われております。東京での発言力は十分であるかと思うか、お尋ねをいたします。  いずれしろ、現下の厳しい社会情勢の中、さきの質問にもありましたが、望まれるのは強いリーダーシップであります。自信を持って県全体を引っ張っていただきたいと思いますし、政策についても正しいと思えば多少の障害は乗り越えても進めていただくことが大事であると思います。  例えば、法人県民税の超過課税の廃止についても効果があると考えるなら、石川県において率先して企業の心理的不況の打開のためにも自治省の顔色を見るまでもなく決断を望むものでありますし、環境行政や以下述べる問題についても同様でございます。  県庁移転跡地と金大附属小中学校跡地についてお尋ねをいたします。  金沢市は附属学校の跡地に広坂芸術街と名づけた都市型文化交流施設を設ける準備を進めております。広坂芸術街には現代美術館と芸術交流館や広場が建設される予定とのことでありますが、現代美術館はその名のとおり現代美術を収蔵作品の中心として県立美術館とのすみ分けを図り、作品の模写や市民の作品の発表ができるスペースなど、市民に開かれた美術館として整備され、芸術交流館には作家との交流の場やイベントスペースなどが設けられる予定であります。  さらに、山出市長は広坂芸術街の運営方法について、夜間も開放する考えを示しております。いずれも、金沢市中心部のにぎわいを呼ぶことが期待される施策でありますが、谷本知事は金沢市の附属学校の跡地の活用策についてどのような見解をお持ちでありましょうか。  附属学校の向かい側にはこの石川県庁があります。広坂芸術街計画と県庁跡地の関係は一体どう位置づけられるのでありましょうか。  現在、石川県と金沢市は都心地区整備基本構想策定連絡会議を設けて、県庁移転跡地と附属跡地、城址公園の回遊性に配慮した案を検討しているとのことであります。今後は広坂芸術街と県庁移転跡地の活用策の関連性、整合性も視野に入れた検討が必要と思われますが、その点について県と金沢市との連携ぐあいはいかがでありましょう。現状と今後の連携方針についてお聞きをいたします。  新しい県庁舎の建設は、県にとっては重大な関心事であると思いますが、一般の市民、県民の生活にとっては利用頻度の少ない県庁舎よりも興味は跡地の利用方法であります。ぽっかりとできる金沢市中心部の空間をうまく活用できるかどうかは金沢市民、県民にとって大きな関心事であり、経済活動に及ぼす影響も大変大きいのであります。県庁移転から間髪を置かず、跡地を活用することは中心部活性化の観点からぜひ必要とかねてから指摘されているとおりでありますが、そのためには県と金沢市との意思疎通とお互いの役割分担をしっかりさせる必要があるかと思います。  よもや口を出せば金を出さなくてはいけないというように、県と金沢市が腹の探り合いをしているというようなことはないと思いますが、金沢市中心部の整備をめぐってわだかまりや心配なことがあればそれを解消しないと不幸なのは市民、県民であります。ここは県と市が十分にお互い何をすべきか、しっかりと役割を認識していく必要があると思いますが、谷本知事はどう思われるでしょうか。  そこで県庁舎の跡地利用でありますが、先般開かれた県議会都心地区整備特別委員会ではいつまでも見えぬ具体的な構想に不満の声が続出し、金沢市議会においても不満の意見が出ているとのことであります。  まちづくりの観点から、当初より県都金沢の中心商業地の空洞化を助長するこの移転には多くの人々が反対をしてきたことは事実であります。金沢城跡地、附属学校跡地、さらには県庁移転跡地と都心の広大な空間の整備の実現により、二十一世紀には新しい金沢の顔が誕生すると言われています。確かに再生が予定どおり、香林坊、片町商店街との回遊性を持ったにぎわいゾーンになれば、金沢の中心部に新たな活力を吹き込むことは間違いないと思いますが、きちっとした跡地利用がなければ町に人は戻ってこないと思われます。  昨年二月開催の都心地区整備構想検討委員会で取りまとめられた都心地区整備の基本的な考え方には、新たなにぎわいの創出を基本に若者を初め多くの人々が町歩きを楽しみ時間消費ができる、そうした新しい地区イメージを重視していこうとの考え方が示されております。  しかし、きょうまで聞こえてくるにぎわい創出に対する計画に対しては、具体的なものはなく不安の声を多く聞くものであり、論議は進んでいるというものの、平成十年度内までに策定する計画は一向に見えてきていないのであります。現庁舎をどこまでこのまま利用するのか。また、市内に散らばっている出先機関の統合移転があるのかくらいは既に考えておられないのでしょうか。  いずれにしろ、最終的に決定するのは知事御本人であります。企画開発部の皆さんだけにお任せしておくのは気の毒のような気がいたします。知事の決断により、県民、議会を初め多くの方々による具体的なたたき台をもとにした議論をしていただく舞台づくりが必要と思われますが、お考えをお伺いをいたします。  さて、過去の跡地利用についての知事の答弁を振り返ると、「兼六園の周辺文化ゾーンに近接している場所」という言葉が大変よく使われています。したがって、跡地と兼六園とは切っても切れない関係であり、互いに相乗効果を持つ関係にある必要があるかと思います。その意味で、金沢大学、県庁舎移転後の金沢の都心部の再生化、活性化に活用していくというのが重要な視点であるかと思います。  無料化については先日消極的な答弁がありましたが、まず無料化即荒れるという考え方は間違いであります。そして、全く別次元の話であります。保存は保存でしっかり取り組み、無料化する中で開園時間を無制限とするのではなく、一定の制限を加えたり休園日を設ける、さらに休園部分をつくる、園路を狭くするなど、問題は管理の体制で工夫を凝らすということであります。  また、先日の答弁の中で「中心部のにぎわい創出を見きわめて」とありましたが、もう既に空洞は始まっているとの認識を持っていただきたいと思います。空洞化は一たん進行すると、その回復は極めて困難であることは他県の例を見て明らかであります。  さらに、先日の答弁で、「県民の入園の割合は一%余りというのは二月のある一日の話であり、県民鑑賞の日などを含めると一五%である」と指摘をしていましたが、その推定根拠をお聞きしたいと思います。県民鑑賞の日など入場無料の日を含めると一五%になるということは、いかに有料化が県民の足を兼六園から遠ざけているかを浮き彫りにするものと思われますが、いかがでありましょうか。  また、無料化は県財政に負担がかかると言われますが、県都の真ん中の空洞化阻止は谷本県政にとっても最重要課題の一つであり、あらゆる手を打っておくことが求められる以上、決してむだな負担ではないはずであります。しかも、無料にするといっても県民だけに限る、あるいは都心の再生にめどがつくときまで時限を区切るなど、その手だてはいろいろあるというのが率直なところであります。  中国の古いことわざに「上の好むところ、下、それに倣う」とあります。知事がはなから無料化に消極的であるとするならば、県庁マンを初め関係者はそれに倣い、その線に沿うことも当然であります。どうぞ先入観を持たず、県都の百年の大計を見据え、県庁内はもとよりさまざまな有識者の会において無料化を今こそ検討されてはいかがでしょうか。県庁移転時期を考えれば決して早くないのであります。  次に、新県庁舎の熱源選択についてであります。  去る九月一日、総務企画委員会において、県庁舎建設局から初めて県民に示された青写真ともいえる新県庁舎実施設計概要が公表をされました。予定どおり工事が進みますと、平成十五年度には行政庁舎を初め三棟のビル群、総延べ床面積十万一千平米の新県庁舎が文字どおり本県政治行政の殿堂として県民生活の安定と向上に大きく寄与すべく、そのシンボルとして機能を始めることになるのであります。  そこでお聞きをいたしますが、新県庁建設の基本的観点の一つに環境に優しい県庁舎が掲げられており、新県庁舎では省エネ、生態系のサイクル、自然エネルギーの活用などに配慮をしながら、健康的で快適な環境を維持させるさまざまな工夫を採用されるとのことであります。二十一世紀にふさわしい地球環境と地域環境に十二分に意を用いた結果であろうと評価いたしておりますが、実際にはどのようなところに工夫されているのか、お尋ねをしたいと思います。  しかし、その中で新県庁舎の空調関係には硫黄酸化物や窒素酸化物をより多く含んでいる石油を燃料として採用されることにはいささか疑問が残るのであります。酸性雨や温暖化現象など、一刻を争う環境対策が全世界において熱心に語られている事態に目を向けるならば、たとえわずかであっても環境に寄与することを第一義に考えるべきであるかと思います。もちろん、担当部局におかれましては都市ガスの燃料費が石油に比べ相当高くなるとの事情により腐心の選択であろうということもまた十分理解をしているものでありますが、たとえ高くとも新潟県庁舎、秋田県庁第二庁舎、鹿児島県庁のようにガスを利用している前例もあるのであります。  本県の新県庁舎では、全県下の公的建物の代表として立派にその模範的なリード役を果たし、より環境に優しい天然ガス素成の都市ガスを採用されるつもりはないのか。また、これまで供給元の金沢市とは話し合ったことがあるのか、あわせて総務部長にお伺いをいたします。  次に、信用組合についてお尋ねをいたします。  私は平成七年と八年の二度、住専に続き中央ではノンバンク、ゼネコン、そして地方では信用組合の経営実態が大きな話題となってくる。転ばぬ先のつえということでこの問題に触れました。話題の長銀や多くの金融機関の破綻問題を見るまでもなく、現状はその当時より厳しくなっているのは明らかであり、今後金融の自由化の進展により信用組合を取り巻く環境は一層厳しくなることが予想されるわけであります。  過去、大型経済事件に発展した乱脈融資問題もありましたが、御承知のとおり信用組合という金融機関は都銀や地銀及び信用金庫のように、国、すなわち大蔵省の所管ではなく、都道府県が行政としての直接監督責任を負っているのであります。  以前の私の質問に対し、谷本知事は「県内の信用組合は経営基盤は小さいが、それぞれ健全な運営を維持している。健全性の維持、また預金者の保護という見地から、県として適切な検査、指導を続けていく」と答えておられるのであります。しかし同時に、「経営環境は厳しい。経営の効率化、健全化を怠ってはならない。業務提携合併は体質強化の有効な手段の一つだ。業界団体とも十分連携をとり、指導していく」との見解も示されているのであります。本年四月には早期是正措置が行われたわけでありますが、本県にある十三の信用組合の経営状況はどうなっているのでしょうか。  また、信用不安の払拭については常にそのディスクロージャー推進が必要と考えます。現在、県におきましてはその経営実態について年二回の報告を受け、またおおむね二年に一回検査を行っているわけでありますが、大蔵大臣の諮問機関である金融制度調査会では信用組合については今年三月期までに全面開示を求めてきたのであります。バブルの影響はほとんどなかったと言われているものの、近年の不況の中で不良債権も増加傾向にあるとのことであり、その実態の把握についてお聞きをいたしたいと思います。  石川県信用組合協会ではここ数年、預金高、組合数がたとえ伸びていても活性化ビジョンをつくり、前向きな努力を続けているのは事実でありますが、合併の促進等を含め、経営の効率化と健全化のためにいち早く県が取り組むべきではなかろうかと考えます。  大阪府では体力が低下し、経営難に陥った信組の統合再編に率先して取り組み、資金投入はもちろんOBを理事長として送り込んでいるという例もあり、合併については富山県が中心となって取り組んだ十年前に四信組により生まれた富山県信用組合が貸し出し、預金とも現在大きく伸ばし、効率化も進んでいるという例もありますし、本県でもことし、だいしんと加賀信組の合併協定の締結があったばかりであります。知事の言った業界団体との連携は現在どのように行われているのか、見解を求めたいと思います。  いずれにいたしましても、県内の多くの弱い立場の中小企業家あるいは勤労者が預金者として存在することは事実であります。信用組合の健全性を維持し確保するためにも、県による適切なる指導協力をこの際強く要望して、この問題を終わります。  次に、新いしかわ動物園について質問をいたします。  動物園が記録の上で最初に登場するのは紀元前十世紀から十一世紀ごろのイスラエルのソロモン王による動物コレクションと周の文王の知識の園と言われております。本県では長年、民間施設として金沢動物園が卯辰山で営業され親しまれてきたのでありますが、今議会提案補正予算の中でも子供たちの夢を育てる環境づくりとして移転等のための開設準備費が盛り込まれており、いよいよ明年秋には辰口町において新動物園が開園の予定であり、子供たちのみならず多くの方々が期待に胸を膨らませ、その開園を待っているのであります。  これまで家族そろって安く楽しめる場所というのが動物園のイメージでありましたが、これからは環境教育と種の保存のための施設に変わろうとしていると言われています。動物園では今、動物愛護の観点から依然批判がある中、動物の見せ方は生態展示が主流となり、さらに繁殖研究も行われ、動物園で動物の心理と行動の解明を本格的に行うところもあり、人間と動物の新たな関係への模索が始まったとも言えるのであります。  生態展示の例を挙げれは、大阪市立天王寺動物園では動物を生態系の一部として見せるため、コンクリートや鉄ではなく、植栽、盛り土あるいはモルタル、プラスチック製の擬岩や擬木で動物の生育環境を再現し、来園者には野生の空間へ入り込んだように錯覚をさせ、動物たちもより自然に近い環境で生活できるようにしているそうであります。  また、横浜市が市郊外に建設をする都筑自然公園ズーラシアも生態展示が基本であり、このような方法は北米で七〇年代後半に開発をされ、日本では豊橋の総合動植物公園や東京・多摩動物公園の昆虫、上野動物園のゴリラ、トラの展示などで試みられ、葛西臨海水族館など水族館での応用例もあります。  また、繁殖研究と生息地保全は車の両輪の関係にあることから、ズーラシアでは日本で初めて繁殖のための専用施設をつくるようであります。上野動物園などの日本の主要な園でも同様な仕組みを模索しており、このことにより日本の動物園も世界のネットワークに連なることができると言われております。すぐれた飼育、医療技術を持つ動物園はすばらしい研究場所になり得ると言われておるわけであります。  どうぞ、いしかわ動物園をだれでもがいつでも気楽に楽しめる憩いの場所であると同時に、世界ネットワークに連なることができる動物生態の研究拠点にしていただきたいと思います。動物愛護の観点から動物園の存在、あり方自体にも批判が聞かれるかと思いますが、どのように理解を得て運営されていくおつもりか。  さらには開園まで約一年間ありますが、動物園のニックネームを県民から募集したらいかがでしょうか。知事のこの新動物園の考え方についてお尋ねをいたします。  最後に、埋蔵文化財の効率化についてお尋ねをいたします。  お聞きするところによりますと、平成十年度は土木部の十九件、約七万三千平米の埋蔵文化財の調査要望に対し、これまでにない高い九〇%に当たる十六件、六万六千平米が実施される予定であります。これは当該地域の珠洲市、輪島市、羽咋市、田鶴浜町、高松町等の応援のたまものであり、その協力、努力に敬意を表するものであります。  さて現在、能登空港や高規格道路など大型プロジェクトが数多く計画されているわけでありますが、必ずその中には埋蔵文化財が包蔵されていると聞き、この調査の進捗いかんによっては事業に影響することが考えられるわけであります。調査能力に不安がないのか。  また、埋蔵文化財の効率的な調査方法でありますが、例えばレーダー調査による範囲確定や盛り土部分の調査の簡素化、調査の外部委託など、どのような展開を今後考えておられるのか、あわせてお伺いしたいと思います。  また、発注形態についてでありますが、聞くところによりますと作業員の確保が困難な京都、大阪等の大都市圏あるいは富山県の一部町村等においては関係市町村の教育委員会より一括して発注され、調査員は埋文センターより派遣をされ、その指示によって発掘をされているようであります。  また一方、本県では分離発注をとっておられるわけでありまして、いろいろな部署間で相当連絡を密にして進める必要があるかと思いますが、どのように連携を現在とっておられるのか。  あわせて、分離発注というのは期間や費用についても、一括請負よりもより長く高いということをよく聞きますが、発注の方法を今後変えていくおつもりはないか、教育長にお伺いして私の以上質問といたします。(拍手) ○副議長(向出勉君) 谷本知事。  〔知事(谷本正憲君)登壇〕 ◎知事(谷本正憲君) 紐野議員の一般質問にお答えいたします。  まず第一点は、トップセールスについての御質問でありますけれども、平松大分県知事は今知事就任五期目ということでもございますし、全国の知事の中でも大変ベテランの部類に属する知事さんでありますし、そのセールス精神はつとに有名でございますし、私も東京で平松知事さんとお話をしたときに、やっぱり大変エネルギッシュな取り組みをしておられるということであります。その辺は私自身もまだ二期目ではございますけれども、大いに学んでいかなければいけないな、このようにも思っておりますし、私自身も石川県のよさを売り込むということにつきましてはトップセールスということはこれからも十分心がけていかなければいけないな、このようにも思っておるところでございます。  幸い東京におきましても、国の関係機関の幹部の皆さん方あるいは石川県ゆかりの大企業の幹部の皆さん方とも大変ごじっこんなおつき合いをいただいております。胸襟を開いて率直な御意見の開陳もお伺いしておるということでございます。そういった財産もこれから大事にしていかなければいけないな、このようにも思っておるところでございます。  あと当然、石川県においてもいろいろな事業が進捗をしており、また新たな事業というのもあるわけでございますから、当然国の方にいろんな御支援をちょうだいをしなければいけないというふうなものも現実の問題としてはあるわけでございますから、それぞれ国会議員の先生方にもその辺の実情は十分に訴えをしていくということが大事ではないかと。そして、理解を深めていただいて、この地元石川県のために頑張っていただく、そういうことは大変大事ではないかと、このようにも思っているところであります。  次に、県庁舎の移転跡地、いわゆる中心部の活性化の問題についての御質問がございました。金大附属学校跡地につきましては、私も新聞報道等以上のことはわかりませんけれども、議員御指摘のようないわば都市型文化交流施設というんでしょうか、そういった形で骨子案をおまとめになったというふうにお聞きをいたしております。こういう施設の整備がこれから本格的に進められていくことによりまして、そして県庁移転跡地の活用と相まって、この都心部において新しい文化の創造、新たなにぎわいの創出につながれば大変結構だと、このように思っているところでございます。  次に、中心部につきましては兼六園、金沢城址公園、こういったところにつきましては県が中心となって対応しておりますし、金大附属学校の跡地につきましては今市が中心になってやっておられると、こういうことでございます。  県庁は駅西地区の副都心づくりの起爆剤という形で移転整備ということに相なっているわけであります。市役所はいずれにしてもこの都心部に腰を落ちつけられるということでございますから、都心部の活性化に果たす金沢市の役割はそれだけ大変大きなものになってこようかと、このようにも受けとめておるところでございます。  いずれにいたしましても、今後金沢市と十分連携をとりながら、そしてまた適切な役割分担もしながら、都心部の活性化に向けての取り組みを進めてまいりたい、このように考えているところであります。  県庁移転跡地についての御質問がございましたけれども、いずれにいたしましてもいろんな提案がこれからまた出てこようかというふうに思います。兼六園あるいは金沢城址公園、中央公園、金大附属学校跡地等々を含めました兼六園周辺文化ゾーンの一角として、いわば都心に残された貴重な空間というふうに私ども理解をいたしておるわけでありまして、当然都心の回遊性あるいは新たなにぎわいの創出、そういったことで金沢市ともどもに足並みをそろえながら精力的に検討を進めていかなければいけない、このようにも思っているわけであります。  昨年三月、おおよその方向づけは検討委員会の方でいただいたわけでございますけれども、議員御提案のように、さらに踏み込んだ形での検討をしていかなければいけないということであろうと思いますし、出先機関を現庁舎にまとめることの是非ということもございましょうし、この本庁舎を含めて残すのか、全部取り壊すのか、一部残すのか、そういったことの是非も当然これから議論を深めていただく必要があろうかと、このようにも思っているわけでありまして、私どもそういった意味では各界各層の方々からなります御意見をお聞きする場、懇話会というのでしょうか、そういった場を金沢市の場合は市長選挙もすぐございますので、金沢市長選挙が終わり次第、県、市共同でそういった懇話会を設置をして、議員御指摘の点も話題として取り上げていただいて、さまざまな御意見をいただきながらぜひより踏み込んだ形で具体的な形でぜひ構想をそこで御審議、検討いただきたいな。我々も必要に応じていろいろなたたき台をそこへも提案をしてまいりたいなと、このようにも思っておるところでございます。  いずれにしましても、県庁移転まであと四年ないし五年の期間があるということでございますので、この基本構想、基本計画の策定に当たりましてはこの懇話会でさらに実のある議論をぜひやっていただきたい、こういうふうにも思っておるわけでございます。  いずれにしましても、金沢城跡あるいは宮守堀が整備をされてまいりますし、御花畑というのも整備をされてまいりますし、県庁舎跡地、そして中央公園、そういったもの全体をにらんで、より一体性を高めるというふうなことも大事ではないのかなと、こういうふうな思いもいたしておるわけでありまして、当然そういうことになりますと道路の再編整備といったようなものも課題として上がってこようかというふうに思うわけであります。  いずれにしましても、市長選挙が終わり次第、早々にも設置をいたします懇話会等で相当突っ込んだ議論をぜひやっていただきたいなと、このようにも思っておるところでございます。  次に、兼六園についての御質問がございました。詳細はまた担当部長からお答えをさせたいというふうに思いますけれども、議員御指摘のように兼六園につきましては有料化する際のいろんな経緯、議論もあります。そのことは承知もいたしておりますし、市街地の活性化の観点からの無料化の議論があるということも承知をいたしておるわけでございますが、いずれにしましても兼六園、特別名勝の指定を受けておるということで、その意味では石川県あるいは日本を代表する文化遺産ということでもございます。  先般も世界遺産に登録をしてはどうかという御質問もちょうだいをしたわけでございます。そういったことを考えてまいりますと、文化財庭園、しっかりと後世に保存をしていくということが一番大事なことではないのかな、このようにも思うわけであります。ただ、県民の皆さん方の利用についてもこれは十分我々あわせて配慮をしていかなければいけない、このようにも考えておるわけでございます。  いずれにしましても、さきもお答えをしましたが、東京都における例もございます。これらのことも十分にやはり調べてみる必要があるのではないかと、このようにも思っておりますし、市街地の空洞化の問題もいわば金大附属小中学校のにぎわい創出のための具体的な戦略も出てきたということでありますし、金沢城址も今平成十三年の都市緑化フェアを目指して具体的な整備を進めておりますし、緑化フェアが終われば県民の方々に開放されるということにも相なっておりますし、県庁舎の跡地利用も懇話会等を設置して、そこでさらに具体的に掘り下げた検討もしていただくと、こういう形でいろんな方策が今まさに実行に移されようと、部分的には実行に移されておるものもあるわけでございますから、その辺の推移、状況を私どもやっぱり見きわめる必要があるんではないのかなと。そういった意味では、兼六園の取扱方はやはりそれらを見きわめ、最後の最後にやはり検討すべき課題ではないのかなと、このようにも考えておるところでございます。詳細はまた土木部長の方から答弁をさせたい、このように思います。  次に、信用組合でありますけれども、信用組合につきましては経営規模は大変小さいながら堅実な経営を続けておられるわけでございまして、早期是正措置等を導入後の自己資本比率、これも全組合とも基準となる四%を超えておるということでございますので、現在特段の問題は生じていないというふうにも思っておりますし、バブルの影響もほとんど受けなかったというより、バブルが通り過ぎていったという感じなきにしもあらずでございますけれども、いずれにしましても協会の方でも活性化ビジョンの中で信用組合の経営力の強化ということで業務提携、さらには合併を推進すべきということで委員会も設置をして取り組みがなされておるということでもございます。この五月には南加賀地区をエリアにしております議員御指摘がございましたが、だいしん信用組合と加賀信用組合が合併基本協定を締結をされたわけでありまして、来年四月の合併を目途に今準備を進めておられるということでございますので、私どもさまざまな相談にも今応じておるところでございます。  いずれにいたしましても、それぞれの信用組合の自助努力ということが当然前提ということになるわけでありまして、強制的に合併というのはなかなか難しいわけでございますけれども、私どももこれからの金融情勢をにらみました場合に、そういった機運醸成に向けてさらに連携をとりながら必要なアドバイス、指導等もしてまいりたい、このようにも思っておりますし、そして今の地方分権推進法がいずれにしても制定をされますと、金融機関に対する指導監督は一元化するのが望ましいということで、国にこの指導監督権限も移管をされるということが今の地方分権推進計画の中では明記されておるわけであります。やはり、指導監督はもちはもち屋ということが大変大事ではないかということを国の方も十分お考えになっておると、こういうことであろうと思います。  次に、動物園についての御質問がございました。新動物園につきましては従来から申し上げておりますように、楽しく遊べ学べる動物園、これを基本コンセプトにいたしておりまして、議員御指摘のように動物たちの本来の生息環境に近い環境をできるだけ再現をしていこう。自然の営みのすばらしさを生きた動物たちを通じて知ってもらう。御指摘の環境教育の場と。それから、最近は動物福祉という言葉があるようでございますが、こういった動物福祉に配慮した動物の飼育、生活条件を整え、そして種の保存のための繁殖の推進、これも大きな柱でございますし、そして多くの県民の皆さん方に親しまれ、ゆとりの時間を充実したものとして過ごすことができるようなレクリエーション機能の拡充、これも大きな柱であると思いますし、そしてもう一つは傷ついた鳥獣の保護を行い、野生復帰を進めるためのいわば動物病院、動物リハビリテーション等の整備、これも大きな柱ということでございます。その四つの柱を私ども基本コンセプトとして今整備を進めておるところでございます。  愛称についての御質問がございましたが、いしかわ動物園という今は名称でございますが、平成六年三月に卯辰山で開園をして以来、多くの県民の皆さん方からいしかわ動物園として広く親しまれておりますので、できることならばこの名称を使用していければと、このように考えておるところであります。 ○副議長(向出勉君) 枝廣総務部長。  〔総務部長(枝廣直幹君)登壇〕 ◎総務部長(枝廣直幹君) 新県庁舎の環境面への配慮、工夫につきましてまずお答えを申し上げます。具体的には、吹き抜け方式といいますか、ライトコートを採用することによりまして自然換気システムを取り入れたこと、あるいは夜間電力の利用によるエネルギー使用の平準化を図ったこと、代替フロンを使用しておること、あるいは節水型とし、あるいは雨水を貯留し樹木への散水や便所の洗浄水などの雑用水として有効利用すること、さらには外灯等に太陽光発電システムを採用するさまざまな環境面への工夫を取り込んでおるところであります。  また、同じ環境面への配慮の観点から、熱源として天然ガス素成の都市ガスを採用してはいかがかと、こういう御質問をいただきました。空調熱源システムの採用の検討に当たりましても、油類あるいは御指摘の都市ガス、こうしたものを種々比較をしたわけであります。また、この比較の過程で供給元であります金沢市企業局ともいろいろ協議もさせていただいたわけであります。  それらの結果、さきの中間報告でも御報告いたしましたが、新県庁舎における熱源を灯油と、このように考えたわけでありますが、まずその理由を環境面から申し上げますと、例えば硫黄酸化物の排出量を見ますと、規制基準値に対しまして四万二千分の一でとどまると、こういうシミュレーション結果が出ておるわけであります。また、NOX──窒素酸化物につきましても一〇〇ppm以下となりまして、これは都市ガスを使用する場合の規制基準値一五〇ppmをも下回る、こうした数字が得られる予定となっております。このように環境面から見ましても、大きな負荷を周囲に与えるものでは決してないと、こういう試算結果を得ておるわけであります。  また、新県庁舎の建設に当たりましてはイニシャルコストに加えまして、その後の管理運営コストの縮減を図る、全体としてコストの縮減を図る、こうした御指摘もるるいただいてきたわけであります。  ランニングコストの面から見ますと、都市ガスを利用した場合の年間の料金でありますが、約五千五百万円かかることになってございます。これは残念ながらちょっと高い値段になっておりまして、御指摘のように他県で都市ガスを利用しているケースは確かにございますが、その場合、例えば鹿児島でありましたら三千百万円、群馬県でありますと二千二百万円、こういう料金設定がなされておる。そういう安いということも他県での使用の一つの要因になっているのではなかろうかと考えております。これに対しまして、灯油を使用すれば約二千万円でおさまると。これを長い年月で見ますと大変大きな差になってくると、このようにも私ども判断をしたわけであります。  いずれにしましても、総合的に判断をいたしまして、そして灯油とはいえ十分環境に優しいということが言える以上、私どもとしては空調熱源といたしまして灯油を使用させていただきたいと、かように考えております。 ○副議長(向出勉君) 荒川企画開発部長。  〔企画開発部長(荒川敦君)登壇〕 ◎企画開発部長(荒川敦君) 県庁移転跡地と金大附属小中学校跡地のうち、金沢市の広坂芸術街計画と県庁跡地との関係、それからそれについての県と金沢市の連携ぐあいについてのお尋ねでございますけれども、この県庁移転跡地あるいは金大附属学校跡地、都心に残された貴重な空間でございます。県庁移転跡地の整備につきましては、御指摘のとおり金大附属学校跡地の整備との機能分担ですとか整合性を図ります。また、両者の連携も考えながら県庁移転跡地につきまして金沢市と十分打ち合わせ、あるいはすり合わせを行いまして、現在県、金沢市共同一体となりましてさまざまな観点から種々検討を進めているところでございます。 ○副議長(向出勉君) 山岸商工労働部長。  〔商工労働部長(山岸勇君)登壇〕 ◎商工労働部長(山岸勇君) 信用組合の経営状況について知事へのお尋ねを若干補足して御答弁申し上げたいと思います。  平成九年度の県内十三の信用組合の決算内容でございますが、全体で預金の平均残高が一千七十三億円というふうになっております。前期比〇・〇七%増ということでもございます。貸出金は六百五十五億円で、前期比二・〇%の減ということで、預金は微増、貸出金はやや減少ということになってございます。  収益性を示す業務純益は前期比で七・八%の減ということで、最近の景況の悪化等によりまして貸出金の伸び悩みなどから若干収益性は落ちている面もございますけれども、十三の各信用組合では単年度の利益は確保されておるというふうに見ておりまして、経営上の問題はないというふうに見ているところでございます。  以上でございます。 ○副議長(向出勉君) 中島土木部長。  〔土木部長(中島浩君)登壇〕 ◎土木部長(中島浩君) 兼六園の無料化について、また県民利用状況や維持管理の工夫などにつきまして補足的にお答えいたします。
     昭和五十一年の有料化以前の兼六園は、入園者の無制限な自由利用により荒廃しておりまして、維持管理の限界が指摘され、これらを背景といたしまして間接的な入場制限や鑑賞マナーの向上効果を期待して有料化に踏み切ったものでございます。その結果、文化財庭園としての価値が維持向上できたものと考えております。  したがいまして、兼六園の無料化につきましては東京都が一たん無料化した文化財庭園が荒廃したため、再有料化したという貴重な経験も参考にしまして、慎重に判断すべきことと思っておるわけでございます。  一方、県では県民鑑賞の日など年間四十一日間の無料開放を実施しております。これらの日を含む県民の入園者は過去五年間の平均で約二百四十万人の一五%に当たります年間約三十八万人と推計しております。この推計は入場者数に平日、休日あるいは観桜期等の県民率を乗じて推算したものでございます。平日は県外の観光客が主体でございます。県民は夜間開放などもしております観桜期など、兼六園の鑑賞に適した見ごろを選んで来られる傾向にあると思われるわけでございます。  また、御指摘の維持管理体制の工夫に関しましては人員制限、区域制限や巡視体制の強化等について有料化の際にも検討したところでございますが、その実施につきまして困難な問題点が多く、現時点におきましても現行の有料性が総合的な保護対策として最も有効であると考えております。  なお、本年度は維持管理の充実を図るため、園内の樹木、土壌、水質等の総合的な調査を行い、園路の改廃、樹木治療、土壌改良等を含めた保全対策を検討しているところでございます。  以上でございます。 ○副議長(向出勉君) 西教育長。  〔教育長(西貞夫君)登壇〕 ◎教育長(西貞夫君) 埋蔵文化財調査につきまして三点お答え申し上げます。  まず、埋文調査によって大型プロジェクトに影響はないかというお尋ねでございますが、調査体制の強化につきましては従来から調査員の計画的な増員に努めておりまして、今年度は五十八人体制ということで充実強化を図ったところであります。  また、新たに財団法人石川県埋蔵文化財センターを設立いたしまして、調査体制の一元化を図ることでより一層の調査の促進と効率化に努めてまいったということでございます。  この結果、今年度の県土木部関係の調査では十六件、六万六千平米と。まず、本年四月当初の要望に対しましてはほとんどが実施できる見込みというふうに相なっております。  従来から県土木部を初め開発事業者とは緊密な調整を図っておりまして、金沢城址公園、能登空港、高規格道路などの大規模重点事業や緊急度の高い事業につきましてはほぼ要望どおり発掘調査が実施できる見込みであります。  今後とも事業の緊急度に応じた調査計画の策定と市町村との連携強化によりまして、大型プロジェクト事業を初め開発事業の進捗に影響を及ぼすことのないように調査事業の円滑な実施に努めてまいりたいと、かように考えておるところでございます。  次に、効率的な調査方法についてのお尋ねがございました。県といたしましては、これまで開発事業者との連絡調整の緊密化、金沢城址等における地下レーダー探査の実施、ラジコンヘリコプター利用による空中写真測量の実施、パソコンを用いた図化システムの試験的実施、建設省が開発した雨天用テントの試験的導入あるいは現場事務所の設営、測量、表土掘削等の民間委託等々を行ってまいりました。今後とも委託が可能な業務につきましては積極的に民間会社を活用するなど、さらに埋蔵文化財の発掘調査の迅速化と効率化を図ってまいりたいと、かように考えております。  なお、文化庁では今年度中に発掘調査を要する範囲に関する基準というものを策定することにいたしておりまして、例えば盛り土部分の調査の簡略化等についても一定の指針が出されるというふうに伺っております。  県といたしましては、国や他県の動向をも踏まえながら、来年度中には発掘調査に至るまでの取り扱いの基準を策定し、効率的な調査の実施に向けまして検討を進めてまいりたいというふうに考えております。  最後に、発注方式についてのお尋ねでございます。本県では従来から発掘調査の迅速化と効率化を図るために部分的に民間に委託をしております。例えば重機など土木機械を利用した排土作業あるいは記録作成の地上測量や空中写真測量、雨天や湧水に対する排水動力源の電気工事、炎天下の遺構検出に対する水道設置等であります。  土木などの事業機関では、草木の伐採や工作物等の撤去、安全確保、崩落防止のための矢板の設置あるいは表土、盛り土の掘削等残土の処分等につきましては、工事に附帯するものとして発注し、円滑な調査の実施が図れるように努めているところであります。  一方、作業員の確保が困難となっております大阪府などの大都市圏あるいは先ほど議員おっしゃった富山県等の調査体制が極めて弱い一部の町村等で、発掘調査員の負担軽減や調査の効率化を図るために発掘調査の土木部門の作業とその監理を建設業者に一括して請け負わせておると、そういう例があるようであります。これらの一括請負につきましては、調査員の負担が軽減されること、これは事実でありますが、必ずしもすべての場合において調査期間の短縮や調査費用の軽減にはつながっていないということも伺っております。  本県では、現在までとりあえずは作業員の確保が格別困難というふうになっていないということ、あるいはかえって調査費用が増加する、そういうケースもあるということなどから一括請負は行っておりませんけれども、今後他県における導入の実態、どういう利点があるのか、どういうマイナス点があるのかと、こういうことも参考にしながらより効率的な方式を研究してまいりたい、かように思っております。  以上でございます。 ○副議長(向出勉君) 菊知龍雄君。  〔菊知龍雄君登壇、拍手〕 ◆(菊知龍雄君) 長引く景気低迷の中、混沌とした中央政界の影響も受けながら、知事は石川県のためによく頑張っておられます。政界にも多少のいじめみたいなものがあるようでございますが、気にしないで今後も一層県政に励んでいただきたいと思います。  今回、質問の機会を与えられました。質問も最後から二番手ともなりますと問題もある程度出尽くした感があり、多少重複するようなところがあるかもしれませんが、私なりの視点からお尋ねしたいと思います。  まず、介護保険法関係についてお尋ねします。  介護保険法が平成十二年度より実施されることに決まって、現在、日本じゅうがその準備に追われております。基本的には市町村が保険者となり直接の責任者でありますが、さらにそれを国、県等が重層的に支え合うことになっております。国で決まった施策を市町村に伝達し、準備の指導をするなど、県の担当部局においてはその対応に追われておられるところであります。その準備の進捗状況について少しお聞きしたいと思います。  まず、介護支援専門員について伺います。介護支援専門員試験がまず行われ、その合格者に研修をして資格を与えることになっておりますが、ことしの試験は日本全国で見ると四万人強を見込んでいるところに受験申し込み者は約二十三万人で六倍弱と報道されていました。石川県の場合、試験日は十月十一日で約四百ないし五百人必要とされているところへ約二千六百人の受験希望者があると聞いております。やはり六倍でございます。基本的には一定の力があれば合格する資格認定試験であって、初めから一定の人数しか合格させない選抜試験ではないと理解しておりますが、それにしても余り多人数合格させても、その後の研修が大変な負担となりますので、実際上はどこか適当なところで足切りをせざるを得ないだろうと推測しております。  厚生省は、受験者の点数分布などを考慮して十月中に合格基準を出し、それに基づいて十一月中に各都道府県で発表する見通しと報ぜられておりますが、今の段階では県当局も何とも言えないと思います。が、いずれにしても何らかの足切りは避けられないと思います。  その際の足切りの仕方についてですが、現に介護職についており、かつそこの施設でその人が介護支援専門員の資格を持っていないと事業に支障を来すような人は優先的に合格さすような経過措置をとることが介護保険をスムーズに導入する上に必要なことではないでしょうか。受験資格者には計五年以上の実務経験者という要件が入っていますが、その内容にはかなり幅広い職種が含まれています。受験生には、現に現場で働いていて、職場でもその人の介護支援専門員としての資格が初めから必要な人と、今は必要ないが将来のためにとりあえず資格だけとっておこうという人たちとの二種類があると思われます。後者の方が平均的には現場経験が量的に少ないか質的に低くても、暇に恵まれていて筆記試験で合格しやすいのではないかと憂慮するのであります。いつまでもとは申しませんが、この制度が軌道に乗るまでの間、一年間か二年間かわかりませんが、現場従事者優先を経過措置として考慮をお願いしたいと思います。  次に、認定審査業務が各市町村で単独でされる場合と複数市町村の共同事業にされる場合と県に委託される場合とがありますが、本県ではそれぞれどんな割合になりそうでしょうか。広域での共同事業として認定審査をしたとき、その共同体を構成する個々の市町村は、各自の財政状況に応じて共同体の中の他の市町村と異なる独自の保険給付メニューをつくってもよいのでしょうか。  つまり、例えば同じ要介護度判定が出ても、その中の一部自治体の提供サービスのレベルを少し低くすることは許されますか。許されるとすれば、その操作はケアプランをつくるときに基準となる介護内容のレベルを下げておいて調整するのでしょうか。  また、利用者は保険料が異なり、あるいは提供サービスの内容に貧富の格差のある複数の自治体にまたがって、複数のサービス提供施設ないし業者を選択できますが、そんなときの自治体間の精算業務は大変ややこしいものになると思われますが、うまく処理できるものでしょうか。  次に、複数市町村の共同事業としてできるのは認定審査事業のみでしょうか。複数市町村が共同事業体として共同単一保険者にはなれないでしょうか。また、認定審査事業を共同でするところは行政規模あるいは財源規模の小さいところが多いと推測されますが、このような事業を契機として市町村合併への機運の高まりはないでしょうか。  次に、ケアアセスメントを含むケアプラン作成の手法については、幾つかの団体からいろいろな方法が示されております。どの様式を使用するかは自由とされていますが、その一つ一つが十分に使用できるようになるためには、かなりの熟練が必要とされます。習熟度を増すための研修の際の利便性などを考えて、県としては、法的に強制はできないにしても、研修にはこの方式を使いますというような予告をして様式の統一への誘導をするつもりはございませんでしょうか。  次に、介護保険制度においては、各市町村の財政負担の大きい点が実施上の困難の一つであると思われます。そのほかにも介護保険制度の準備を進めていく上で困ることがいろいろ出てきつつあると思われますが、目ぼしい障害としてはどんなものがあるのでしょうか。  次に、教育問題についてお尋ねいたします。  今の教育界は、不登校、いじめ、自殺、暴力などの言葉で象徴されるいろいろの問題を抱えています。教育現場の崩壊は中学校から小学校へと低学年化を見せ、一方で偏差値至上教育は人間教育を全く無視して人格的欠陥のある偏差値秀才をエリート官僚として日本政府中枢に送り続けてきた結果、政府中枢部の高級官僚の予想もしなかった腐敗、堕落ぶりが最近になって露見しつつあるところであります。これは、明治維新以来積み上げられ、敗戦により再編成された教育システムが、既に制度疲労を起こして役に立たなくなってきた結果であります。これと類似の現象は他の制度でも見られ、これらすべては本質的に制度疲労ですので、維新と呼ばれるくらいの社会の大変革が起こらなければ根本的解決策はないと思われます。  しかし、できないからといって手をこまねいているわけにはいきません。このような事態を見据えても、県としてもできるだけの対応をとってもらわねばなりません。県でも既に一部ではありますがスクールカウンセラーの派遣等の対策を講じておられるところですが、さらにすべきことはたくさん残っております。  今の世の中で気になるものを思いつくままに列挙しますと、例えば大学入試のセンター試験、昔の共通一次試験を初め、いろいろの選抜試験のほとんどがマークシート方式でやられています。これは現実的には記憶にのみ頼る詰め込み式教育をもたらし、本当に必要とされる思考能力の開発は全く無視されております。どんな場合でも一番必要とされるものは、与えられた幾つかの回答の中から答えを一つ選ぶことではなく、回答が果たしてあるかないかわからない問題を前にして、その回答を模索し考える力であり、さらに言えば、現実の世の中でだれにも解決策の見出せそうもない問題に対峙して何らかの解決策なり将来へのビジョンを打ち出す能力なのであります。  最近では、マークシート方式の選抜方式の欠点に気づいて、各大学における二次試験では小論文とか面接等が少しずつ重要視されるようになってきております。今の制度下では、大学入試のあり方が高校、さらに中学の教育のあり方を規定してしまっております。小、中、高校の教育のあり方を変えるためには、まず大学のあり方を変え、その入試のやり方を変えていかなければなりません。  総じて今の世の中は、親が子に対して果たすべき役割を知らず、あるいはその義務を放棄しており、そのため子は社会性もなく、友人とのつき合い方も知らず、しつけも受けず、社会に対する義務も知らず、国家の意義も考えず、放任されてきた結果、自分勝手で無責任に生き、その中のかなりの人が自分自身の生き方を見失っております。  このような状況を前にして、それらが簡単にできるか否か、あるいはそれが根本的解決につながるかどうかは別にして、それらの対策として考えられるものを列挙してみます。  子供の小学校に上がるまで、特に乳幼児期の育て方を大事にするよう工夫するとか、父親が仕事中毒人間であることをやめて子供との接触を大切にするとか、小学校、中学校のカリキュラムの質と量を工夫してもっと余裕のあるものにするとか、一般の社会人の中から適切な人を招いて、その人流の授業を一定の時間してもらうとか、小、中学でも事情によっては越境入学を認めるとか。ただし、これは進学校に集中させる目的ではだめでございますが。あるいは、高校と大学の入学は易しくして、進級試験あるいは単位取得を厳密にして、勉強しない学生はどんどん落第させ、あるいは退学させるとか。あるいは、中学の語学教育は会話中心にするとか、教員の個性を十分に生かして伸び伸びと教えられるように工夫するとか、今までのような偏差値至上主義の秀才教育をやめるとか、いろいろあります。  特に、偏差値至上主義の秀才教育でありますが、この最後の問題に関しては、国立大学教育学部附属の中学、高校が進学至上英才教育をしておるということが日本の教育のゆがみを端的にあらわしております。私立の学校は別にして、国立大学教育学部の附属中、高校であれば、日本での標準的な教育の実習と研究をすべき現場であります。そこに必要な生徒は、普通の平均的な生徒であり、そこにはよくできる子も余りできない子も混じっていなければ、世の中のどこにでもある普通の学校での教育の参考にはなりません。悪い意味での秀才教育の場での訓練しか受けていない教育学部の新卒生は、偏った訓練を受けて社会に出てくることになり、この辺に最近よく指摘される若い教師の現場における頼りなさの原因が潜んでいるかもしれません。  まだいろいろとありますが、これらの教育問題に対する基本的御見解と、もし何か考えておられるとすれば、それらに対する対応策などをお聞かせいただきたいと思います。  ダイオキシン問題についてであります。  内分泌攪乱物質、いわゆる環境ホルモンについては、いろいろの危険性が想定され、最近とみに注目を集め、対策が検討され初めております。  ところで、それらの物質のうち毒性が強く、かつ身近にあるということで最も注目を集めているのはダイオキシンであります。特に、ごみ焼却場から多く発生するということで、その対策として、我が県ではRDF専焼炉の建設が喫緊の課題になっております。一般にはその毒性は極めて強く、青酸カリの千倍、サリンの二倍とも、あるいは三十四倍ともいって騒がれております。しかし、実際にそれだけの毒性の強さが人体ではっきりと証明されたことはなく、余り根拠のない話が誇大に吹聴されながら広がっていったものであるという説も最近出てきております。  その説によりますと、モルモットでの毒性は強いかもしれないが、それがそのまま人間には当てはまらないし、実際に被害状況を見ても、実は空騒ぎをしているだけと言われるほどの毒性は観察されていないと申します。最近のダイオキシン騒動は、真の身体障害としてのダイオキシン中毒症やその後遺症によるものではなく、社会心理学的な意味でのダイオキシン症候群であると言っております。  焼却炉に関しては、普通の構造のものではダイオキシンが発生するということで、家庭からも学校からも一切敬遠されていますが、実際にはプラスチック類を取り除いて焼却すれば家庭の簡易焼却炉で家庭ごみを焼却しても実害はないと言っております。もちろん、ダイオキシンが安全無害のものであるというのではなく、毒には違いないのですが、身の回りにはほかには塩素系の洗剤、漂白剤、殺菌剤、塗料あるいは大量に使われる農薬等があり、それらの方がむしろ毒性が強いというわけであります。ダイオキシンのみが唯一猛毒のように騒ぐのは妄想に近いものであり、ダイオキシン症候群と呼べると言っております。ダイオキシンは毒には違いありませんが、このような見方も出てきておりますので、冷静に見直すことも必要かと思います。  ダイオキシン騒動によって一切家庭で処理せず、何でもかんでも一切廃棄物として市町村の手にゆだね、その結果、大量のごみ発生をもたらし、その究極の処理方法として我が県ではRDF専用焼却炉にたどり着き、今その実現の一歩手前で苦しんでいるわけであります。  ダイオキシン濃度に関する法的規制もあり、専焼炉問題はそれはそれとして進めていただいて、一方では家庭から出すごみをできるだけ少なくすること、つまり昔からあるごみゼロ運動を見直し実行することが自治体にかかる負担を少なくし、これが基本的に一層大切なことであると見直されるべきであると思います。  この方策を整理してみますと、まず一番、プラスチック類は取り除いて、可燃物はできるだけ各家庭で焼却する。二番、取り除いたプラスチック類は分別してリサイクルあるいは最終処分、焼却に出す。三番目に、生ごみは堆肥化して、生ごみそのものとしては出さない。そのためにはコンポスト器の改良、開発が要ります。四番目には、飲食物等の容器はできるだけリサイクルのしやすいものに変えていくべきである。五番目には、買い物等の包装は簡略に、自家用の食料などは自分で容器を持参する等であります。  一週間ほど前のテレビで、愛知県知多市における分別収集リサイクル運動の徹底した実践状況を報道しておりました。これらを実行するためには、住民の意識改革をするほどの啓蒙、啓発運動が必要であり、簡単なことではありませんが、これが基本的に最も大切なことであり、実行可能のことと思います。  次に、コンピュータの二〇〇〇年問題であります。  西暦二〇〇〇年になりますと、下二けたの年号で年を識別させてある今のコンピュータシステムは一九〇〇年と二〇〇〇年との区別がつかず、適切な対策を講じないで今のままで放置すれば誤作動を起こして世界じゅうが大混乱に陥ることが予想されています。この対応にはかなりの時間がかかり、早くから取りかからないと間に合わないはずです。  ところが、日本では全般に対応がおくれており、わずかに銀行がある程度対応しているのみと言われております。この対応には金もかかり、そのくせ目先の目に見える収益につながらないため、近視眼的発想をしやすい日本人は問題を先送りして二〇〇〇年問題に目をつむってきたと言われます。二〇〇〇年までには一年と三カ月しかなく、時間的にはもう間に合わない時期に入ったとみなされております。このままではコンピュータを使っているほとんどすべての装置は二〇〇〇年に入った途端に大混乱を起こすと言われます。一九九九年十二月三十一日の真夜中には飛行機には絶対乗るなとまじめに言われております。  日本政府は対応する行動計画を九月十一日に発表したと報ぜられておりますが、十分なものとは言えないようであります。この問題に対する県の対応はどうしておられますか。また、県内一般企業の準備状況はどんな様子ですか、お尋ねいたします。  次に、台風七号による被害状況についてであります。  去る九月二十二日夕方、石川県を通過した台風七号は、県内各地に多大な被害をもたらしました。降り始めてから午後八時までに山中町で百七十三ミリという豪雨で、平成最大の雨台風となりました。  台風の通過した直後、それまでに山に大量に降った雨が渓流を滝水に変え、山腹の細い路地は背後の山からの濁流水の通路に変わって、加賀市三谷地区山間部の集落を突然に襲い、二十分ほどの間に渓流沿いの家々を泥水に浸しております。その後、それらの水が下流域に集まり、ついに加賀市中島町地内で動橋川右岸の堤防が決壊し、一帯を瞬時に水没させました。その前、夕方には山中町で国道三百六十四号薬師バイパスでがけ崩れが起こり、車五台が流されております。  私は二十二日夜間、二十三日午前と地元の被災地を見て回り、被害のひどさに驚くとともに、それが石川県全域にわたっていることを知り、さらに驚きました。そして、災害当日と翌日の復旧作業のありさまを検分して、かかる緊急災害時の近隣の助け合いというものの大切さを感じました。  ある町工場で、がれきと化した半製品の山を前にして、そこの主人が、保険がかけてあっても休日──それは秋分の日でございました、保険会社が見にきてくれないので、証拠保全のため処分できない。皆さんが手伝って来てくださっている今のうちに片づけないと後が大変なのにと困っておられました。昔は、この保険会社のような対応をお役所仕事と言っていたようですが、今は違いまして、県では県、市町村関係機構やJA関係まで休日返上で対応するよう既に指示を出されたようで結構だと感じ、民間の方がちょっとおくれていると思いました。この上は、保険会社など災害関連会社なども災害緊急時には同様の対応をするよう指導していただきたいと思います。  次に、まだ詳細はわからないと思いますが、県内被害の状況を今わかる範囲内で結構ですから教えていただきたいと思います。  きょうもまたかなり雨が降っており、堤防決壊した場所はどうなっておるか心配しておりましたが、きょう昼ごろまでに動橋川の堤防はほぼ修復を完了していただいたそうで、ほっとしております。  治水に関する県としての今までの努力、今後の課題に関する問題については、石坂議員がけさの質問で触れられ、知事の答弁もありましたので省略しますが、災害復旧の一日も早いことを祈りながら、以上で質問を終わります。  意のあるところをくんでお答えいただければ幸いでございます。(拍手) ○副議長(向出勉君) 谷本知事。  〔知事(谷本正憲君)登壇〕 ◎知事(谷本正憲君) 菊知議員の一般質問にお答えをいたします。  まず第一点は、介護保険についての御質問でありまして、その中で特に介護支援専門員、ケアマネージャーのいわば受講資格試験の合格基準についての御質問でありますが、これは国が示す基準によりまして合格者を決定すると、こういうことになっておりますので、この国が示す基準を満たしておれば、その方はすべて合格者という形で認定いたしますので、県が独自に足切りをするというようなことはございません。  それから、実務研修についてでありますが、これは合格された方全員を対象にして演習、実習、そういったものに重点を置いて三日間の研修を二回実施する、こういうことでございますので、ここは私ども、研修日程の工夫をいたしまして、合格者全員がスムーズに研修が受けられるように配慮をしてまいりたいと、このように考えております。  そして、この当該実務研修のいわば講師となる指導者でありますが、これにつきましては国の実施する研修を受ける必要があるわけでございまして、この受講枠が各県ごとに限られておるということであります。この門戸はぜひ国の方にやっぱり広げてもらう必要があるというふうに思いますが、現行制度のもとでは石川県では十月中に二十一人の確保が可能、こういう見込みになっておるわけであります。  十一年度あたりは、特に多くの指導者を必要とするわけでありますので、より多くの派遣枠が確保できるように、私ども国に対してはしっかり要請をしていかなければいけない、このように思いますし、現場のことをよく知っている人が望ましいという話がございましたが、それは確かにそうであろうというふうに思います。そういった指導者の方々が十分指導者として活躍できるような、そういう人選にも当然我々は配慮していかなければいけない、このように考えているところであります。  次に、認定審査事業でありますが、さきにもお答えをいたしましたけれども、この共同実施、現段階では九地域三十二市町村でモデル的に試行、検討を行うということで今作業が進められております。これはあくまでも介護認定審査事業を共同実施するということが主眼でありますので、それぞれの市町村はいきなり合併までを念頭に置いているということではありませんけれども、こうした一つ一つの広域的な取り組みの積み重ねというものが、いわば合併の足がかりにやっぱりなっていくのではないか、このように思っておるわけでございます。  私ども、これからも合併の機運の醸成に向けまして、引き続き積極的な対応をしてまいりたい、必要な助言、指導もしてまいりたい、このように考えているところであります。  そして、この介護保険制度の準備を進めていく上での障害というお話がございましたが、この介護保険制度の円滑な導入に向けましては、この介護サービスの基盤の充実とか公正な介護認定の確保、こういったことについて市町村と緊密な連携をとりながら今準備を進めておるわけでございますが、当面の最大の障害は、この法律が制定をされて相当の期間が経過しておるにもかかわらず、必要な政令、省令がほとんど国から示されていない、こういうことであります。政令、省令は三百十八件制定をしなければいけないわけでございますが、きょう現在に至るまでわずか一件、こういうことでございます。私ども、この政令、省令が出ないことには、介護保険制度の内容を評価しようにも評価のしようがない、議論しようにも議論のしようがないということでありますので、これが具体的な準備を進めていく上での大変大きな障害になっておるということでございます。  私自身も先般、小泉前厚生大臣が石川県へお見えになりました折に、ぜひその作業を早く進めていただいて、必要な基準を県や市町村にぜひお示しをしていただきたいと。このことがなければ準備作業そのものがやっぱり滞ってしまいかねない、こういうことを強く申し上げたわけでございます。このことはこれからも、もう余り時間がないわけでございます。実施まで一年半ということでございますので、三百十八件のうちまだ一件しか示されていないというのは、これはとんでもない話だというふうに思うわけでありまして、国に対しては、この政令、省令を一日も早くお示しをいただくように強く要請をしてまいりたいと、このように思っておるところであります。  次に、教育システムについての御質問がございました。これは教育長が専門の分野でございますので、基本的には教育長の方からお答えをさせたいというふうに思いますけれども、いろんな問題が起きておりますが、これは今まで余りにも物の豊かさを追い求め過ぎた、そのことが生活が豊かになるんだということで一心不乱に取り組んできたというところに、やはりすべてのとは申しませんが、多くの原因があるような気がしておるわけでありまして、その中で学校教育も、他人を押しのけてでもとにかくいい成績をとればいいというふうな利己主義、自己主義、そういったものが蔓延化していったのでありましょうし、あるいは他人を思いやる心、そういったものが核家族化、そういった中から祖父母から学ぶといった機会もどんどん失われていったということでありましょうし、人間関係が非常にやっぱり希薄になって、お互いに支え合うというふうな仕組みが失われていった、こういうことではないかというふうに思うわけでありまして、このようなことが子供たちにも大きくやっぱり影響しているのではないかと、このようにも思うわけでありまして、これからはやっぱり何事にも体験というのが大変大事であろうというふうに思います。野外体験あるいはボランティア活動などの体験活動ですね、そういった場を私どもはやっぱりこれから整備をしていく必要があるのではないのか。  それだけでこの問題がすべて解決をするということではないと思いますけれども、そういった基盤整備、取り組みをあわせて我々も進めていく必要があろうと、このように考えているところであります。  次に、ダイオキシンについての御質問がございました。御指摘のように、このダイオキシンにつきましては人体でまだ具体的に検証されたということが実はないわけでありまして、動物実験の結果以外にはわかっていないということでございます。これはダイオキシンについては、ほとんどこれまで科学者、研究者の手が加えられていなかった。ですから、すべての実例は、あのベトナム戦争の枯れ葉剤というところへ全部帰ってきてしまうということでありまして、そういう意味では非常に誇大化されているという点はなきにしもあらずであろうと思いますが、ただ私どもはやっぱり行政をあずかっておりますので、WHO──世界保健機構ですとか、国際がん研究機関、そういったところから、このダイオキシンは発がん性があると、こういう評価が出ておるわけでありますので、そういったことがあれば、このダイオキシン対策、行政としては適切な取り組みをやっぱりしていく必要があるのではないかと、このようにも思っているわけでありまして、過剰な反応はもちろん避けなければいけないと思いますが、冷静な対応をしながら、このダイオキシン問題には取り組んでまいりたいと、このように考えておるところであります。  次に、コンピュータの二〇〇〇年問題であります。これも私もよくわからないところがあるんですが、ただ私ども県としましては、行政情報に係るコンピュータの二〇〇〇年問題、これにつきましては、これまでの議会で何人かの議員の皆様方から指摘をいただきました。県のコンピュータにつきましては、平成八年度から計画的に修正作業を実施してきておりまして、今二〇〇〇年問題対策が必要なものは人事給与システム等十システムあるわけですが、既に六システムについては対応を終わっておりまして、残り四業務につきましても今年度中に整備が完了すると、こういうことに相なっておりますが、ただ、このコンピュータも昔はそれぞれ単独でありましたけれども、今はネットワーク化されている。自分のところだけ二〇〇〇年問題対応しても、他のところができていないときにネットワークで結ばれたときに影響が出てくるんではないとか、いや影響はないんだとかあるとか、そういう議論がどうもあるようでございますが、いずれにしましても県が保有しておりますコンピュータにつきましては、この二〇〇〇年問題、しっかりクリアをしてまいりたいと考えております。 ○副議長(向出勉君) 藤井厚生部長。  〔厚生部長(藤井充君)登壇〕 ◎厚生部長(藤井充君) 介護保険制度に関連をしまして御質問がございましたので、お答えを申し上げます。  まず、介護認定審査業務についてお答えを申し上げます。介護認定につきましては、今年度、県下全市町村においてモデル事業を実施をすることになっております。知事の方からも答弁を申し上げましたように、九市町が単独で、その他三十二市町村が九のグループに分かれて介護認定審査会を共同で設置することになっております。したがいまして、モデル事業の中では県への委託というものはございません。  介護認定業務のやり方につきましては、最終的には本年度のモデル事業の結果を踏まえまして各市町村で御判断をされることになりますが、介護認定が実際に開始をされます平成十一年十月までには各地で必要な準備ができるものと考えております。  また、介護認定審査会の共同設置は、審査業務のみ共同化をしようというものでありまして、各市町村がそれぞれ独自でサービスメニューを法律に定めるサービスに上乗せをすることは可能であろうというふうに考えております。  関連をしまして、同じ介護認定がなされて提供サービスのレベルを低くすることが市町村ごとに許されるのかという御質問がございました。市町村が提供するサービス給付は、国の定める基準に従い、基本的なレベルを満たすことが必要となっておりますが、制度上は例外的な経過措置として、特に必要と認める場合には一定期間、サービス給付の上限を国の基準よりも低くすることができるということが決まっております。しかしながら、市町村ごとにサービス水準の格差が生じないよう、各市町村と連携をとりながらサービス基盤の整備に努めてまいりたいと考えております。  それから、またそれにも関連をしまして、利用者が複数の自治体にあるサービス提供施設や業者を利用した場合に自治体間の精算業務がうまくいくのかという御質問がございました。サービスに要した費用につきましては、サービス提供事業者がサービスの提供を受けた方の属する市町村へ請求をすることになっておりますので、自治体間における精算業務というものは生じないということで制度上なっております。  それから、保険給付の参考メニューのようなものをつくる考えはないのかという御指摘もございました。介護支援専門員は、介護者のニーズ、個人の状態や地域の資源の状況等に応じまして、その方に必要な保険給付を組み合わせた介護サービス計画を作成することとなっております。国から現在、標準的なサービスの利用事例というものが示されておりますほか、県といたしましても、いずれの介護支援専門員についても効率的に介護サービス計画が作成できるよう、必要な情報の提供体制等を検討してまいりたいと考えております。  次に、保険財政の共同化について御質問がございました。介護保険制度におきましては、一部事務組合または広域連合により、複数の市町村が共同で単一保険者になることが可能となっております。しかしながら、県内では現在のところ具体的に保険財政まで共同化を検討している市町村はございません。  最後に、ケアプラン作成手法の統一について御質問がございました。ケアプラン作成の前提となる要介護者の状態分析、アセスメントというふうに言っておりますが、の方式につきましては、議員から御指摘がありましたように現在五つの方式が国から示されており、それぞれの介護支援専門員が選択をしてアセスメントを実施するということになっております。このアセスメント方式の違いによって作成される介護サービス計画に差異が生じないよう、実務研修においても十分に配慮してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(向出勉君) 角谷環境安全部長。  〔環境安全部長(角谷征一君)登壇〕 ◎環境安全部長(角谷征一君) ダイオキシン問題につきまして、ダイオキシン騒動により家庭で処理されていた一般廃棄物が市町村にゆだねられており、ここでごみゼロ運動を見直し、住民の意識改革の啓発運動が必要と思うがどうかとの御質問であります。  一般廃棄物の処理につきましては、ダイオキシン対策の一環として市町村に対し、各家庭における簡易焼却炉の購入に対する補助の廃止と、市町村のごみ焼却施設における適正処理の指導を行うとともに、RDF化構想の推進や焼却施設の改善などを指導しているところであります。
     また、御指摘のとおり、廃棄物処理の基本はごみの発生抑制、廃棄物の再利用、再資源化による減量化であり、今後とも市町村と連携しながら、事業者、県民に対し、ごみの発生抑制と減量化の普及啓発に努めてまいりたいと考えております。  このごみ減量化の具体的な取り組みといたしましては、市町村に対しまして、ハード面でのリサイクルプラザなどの整備を初め、ソフト面での啓発活動の充実と分別収集体制の整備や、プラスチック製容器の回収モデル事業等について指導、支援を行っているところであります。  また、県独自ででも店頭でのレジ袋の使用削減を目指し、モデル地区を指定して買い物袋持参運動を展開いたしているほか、市町村と連携しながら過剰包装の自粛等を啓発してまいりたいと考えております。  次に、台風第七号による県内の被害状況につきましてお答えいたします。  二十四日現在で取りまとめました被害状況は、死傷者につきましては死者が加賀市で一人、負傷者は山中町での四人を含め六人となっております。住家被害では、全壊四棟、半壊四棟を初め、一部損壊、床上浸水、床下浸水を含め、計二千二百十六棟に及んでおります。河川では最も多いときには四十三河川が警戒水位を越え、うち動橋川、森下川、大海川の三河川が決壊いたしており、これらにつきましては既に応急の復旧作業をほぼ終えております。  また、県管理道路につきましては、最も多いときで国道三百六十四号など五十八路線七十三カ所で通行規制が行われ、現在なお十五カ所におきまして通行規制を実施いたしているところであります。  また、公共土木施設及び農林水産関係等の被害につきましては、農林水産部関係の被害は現在三十億円に上っており、さらに今後の調査で増大する見込みであります。また、公共土木施設等につきましても現在調査中であります。今後の調査の進みによりまして、被害総額は現在の被害状況から見まして平成三年の台風十九号以来の規模になることが見込まれております。  今後、引き続き関係部局と連携し被害状況の把握に努めるとともに、被災者に対する特別相談窓口を設置するなど、適切に対応いたしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(向出勉君) 山岸商工労働部長。  〔商工労働部長(山岸勇君)登壇〕 ◎商工労働部長(山岸勇君) コンピュータの二〇〇〇年問題につきまして、先ほど知事から県の取り組みについて答弁ございましたが、産業界の取り組みにつきまして若干御答弁申し上げたいというふうに思います。  県でも、業界団体と連携をしながら、この問題につきまして周知あるいはまたいわゆる状況の把握に努めてきたところでございます。ちなみに、平成八年十一月のいわゆる中小企業情報センターのアンケート調査によりますと、八一・九%、約八二%の企業が検討中あるいは未検討ということでございまして、完了済みもしくは作業中というものがわずかに二〇%足らずという、こういう状況でございました。  また、本年七月に金沢商工会議所が実施されたアンケート、先ほどの調査とは対象あるいはエリアが若干違うわけでございますが、一つの傾向として、この時点での商工会議所さんの調査によりますと、検討中あるいは未検討というものが二六・七%というふうに落ちてきているということで、こうした問題に対応が進んでおるというふうに私どもは認識をいたしておるわけでございます。  今ほど知事からも御答弁がありましたが、この問題は主要な企業の対応が進んできましても、ネットワークになっておる関係のものは中小もきちっと対応しないと盤石にならないということでもございますので、先般、国におきまして、このコンピュータ西暦二〇〇〇年問題に関する行動計画というものが、今ほど議員も御指摘のとおりできました。これを受けまして、県におきましても財団法人の石川県中小企業情報センターにおきまして、コンピュータ二〇〇〇年問題対策相談室を実は設置をいたしたところでございます。  今後とも、経済団体あるいは経営指導員等々を対象とした説明会、また、この指導員による啓発、こうしたものを行っていきたいというふうに思っておりますし、また、プログラムの修正等に係るいろんな資金が必要でございますので、こうしたものを対象とする制度融資もございます。こうした融資制度の周知も図りながら、県内中小企業への一層の啓発と支援に努めてまいりたいと、このように思っているところでございます。  以上でございます。 ○副議長(向出勉君) 西教育長。  〔教育長(西貞夫君)登壇〕 ◎教育長(西貞夫君) 教育問題につきましてお答えを申し上げます。  いじめ、不登校などの教育問題に対応するために、国の中央教育審議会あるいは教育課程審議会におきまして審議をされまして、最近答申をされたということでありまして、今後知育偏重教育からゆとりを持って子供たちがみずから学び、みずから考える力などの生きる力を育成することが提言されておるところであります。  また一方、国の大学審議会におきましても、大学入試のあり方につきましては知識の量だけでなく、大学での学習に対する意欲、熱意や入学後の能力の伸長という観点から多様な個性や能力を適切に評価することについて審議をしているというふうに聞いております。  本県におきましては、学校において知識の量だけでなくて、みずから学ぶ意欲や思考力、判断力などの資質や能力の育成に重点を置くことといたしまして、自然体験あるいは社会体験、人との触れ合う体験活動を重視する中で、命を大切にする心、人への思いやり、忍耐力などを培い、子供たちの豊かな心をはぐくむことを目指しております。  このためにはどうしても社会の変化に対応できるような柔軟な思考と幅広い視野を持った教員を養成することが不可欠であろうというふうに考えております。このために本年度新たに自己啓発セミナーあるいはカウンセリングリーダー研修など、特に教職員研修の充実を図っているということでございます。  さらには、子供たちの心の問題は反面大人の問題でもありまして、すべての県民が一体となって取り組む必要があるというふうに考えておりまして、本年度から新たに豊かな心を育む教育推進県民会議と、こういう県民会議を設置いたしまして、県民運動として取り組んでいこうというふうな体制を敷いております。  また、先日来何回かお答えをいたしておりますが、青少年の心の教育につきましては即効薬あるいは特効薬というものはございません。さまざまな立場の方々から御意見をいただきながら地道な努力を根気よく積み重ねてまいりたい、かように考えているところでございます。  以上でございます。 ○副議長(向出勉君) 稲本孝志君。  〔稲本孝志君登壇、拍手〕 ◆(稲本孝志君) 九月議会も代表質問四名、そして一般質問十二名、最後の十六番目のバッターとして登壇することになりました。空席も大分目立つようでございますけれども、先ほどからの質問で重複する点はお許しをいただきまして、適切な答弁を知事並びに関係部局長に伺いたいというふうに思います。  今、金融業界の不良債権問題が大きくクローズアップされております。一方で、自治体財政の危機ということも注目をされております。国から地方への財政のしわ寄せ、有利な起債に伴う公共事業の推進や地方単独事業の負担など、地方財政規模はますます膨大に膨れ上がっております。加えて、不況に伴う税収不足であります。  神奈川県は九月十四日、非常事態宣言を行いました。全国的にも地方債残高が六年間で倍増し、全国的に自治体の財政悪化が広がっております。本県は果たして大丈夫かなという思いが県民の中で広がっております。  本日の新聞記事では、二十四日までに時事通信社のまとめられた都道府県の平成九年度決算によりますと、財政の硬直化の目安であります経常収支比率や公債費負担比率は石川県は非常に厳しい結果が出ております。このことから今日の全国的な自治体財政の傾向、特徴などをどのように見ているのか。また、本県の平成九年度の財政状況の特色と健全財政の根拠について明らかにしていただきたいと思います。  県庁舎建設を間近に控えている今日、なおさら明確にしていくべきではないでしょうか。そして、自治省の見解として財政の健全化の傾向、目安はどのようになっているのか。それぞれ伺うものでございます。  地方分権と行財政改革であります。  中央集権から地方分権への流れは、形の上では去る五月、地方分権推進委員会の四次にわたる勧告の趣旨を尊重し、地方分権推進計画が閣議決定されたところであります。そのことは中央集権システムの象徴と言われておりました機関委任事務が廃止され、いよいよ中央、地方が対等と協力の関係に移行することになったわけであります。  しかし、分権改革の流れを単なる制度改革の整備や行政システムの再編というだけにとどめることではなく、情報公開制度の整備やオンブズマンシステムの普及定着を促進するとともに、各地における市民が進めるNPO活動やコミュニティ活動など、市民活動の社会基盤の創設を促すものが求められていると思います。  また、新しい地方自治体ということで、とかく画一的な地方組織と単位を目指す、いわゆる自治体拡大論が制度改革として考えられがちですが、市民から発信される多様なニーズに自治体が柔軟に対応できる仕組みをどのように実現するかということがポイントであります。このような中で、広域行政として広域連合制度や市町村合併など積極的活用により自由な形で選択の道を開く必要がございます。  去る四月、市町村合併を推進するため国や都道府県の役割を求める地方制度調査会の答申も出されておりますが、本県としての促進のための具体的取り組みとポイントについて明らかにしていただきたいと思います。  あわせて、行財政改革であります。行革の議論の中で、適正な定員管理と称し、人員の削減や臨時、嘱託職員の増員など、コスト削減のみを目的とした点に関心が集まっております。地方分権の流れの中で、またその確実な実効に向けて県民ニーズにこたえる県の役割、位置づけはどのようになっていくのでしょうか。県の業務はどうでしょうか。それらに立って定数のあり方など具体的な数値を示し、県の将来ビジョンを明らかにしていただきたいと思います。  ところで、知事の元気さとは裏腹に、県職員はどのような健康状態でしょうか。執行部席でも最近退院された方や入院中の方も見られますが、今年度に入って知事部局で県職員で七名の方が不幸にも亡くなっておられます。御冥福をお祈りしたいと思います。  県政の著しい展開の中で、平成元年度一般会計財政規模を見ますと約四千三百億円、そのうち知事部局関係分が三千百十五億円、それがこの平成十年九月補正で七千億円のうち五千五百八十億円となっております。しかも、知事部局職員がほぼ横ばいの四千二百名弱となっており、このことから一人当たり約七千四百万円から一・八倍の一億三千三百万円もの財政を一人で賄っているという単純な計算になるわけでございます。  このことから、県職員の近年における入院など、健康度の傾向はどうでありましょうか。多様化するニーズの業務量はどのようなものでしょうか。労働時間数はどうでしょうか。年休消化状況はどうでしょうか。また、健康管理はどのように行われているのでしょうか、それぞれ伺うものでございます。  次に、陳情のあり方についてであります。  六月議会以降、二つのハプニングがありました。その一つは、加賀開発促進協議会理事会のことであります。加賀地区選出の県議や市町村首長、議長で構成され、中央への陳情を主な役割として持っているわけであります。ところが参議院選挙で、国民から自民党という政権政党が結果として全国的に否定され、石川県も例外ではなく現職議員も落選をいたしました。それはそれとしての結果でございます。しかし、そのことをもって、「建設省出身の現職を落とし、どのような顔をして省庁に陳情に行けるのか」との発言があったと聞きます。また、ある人は「役職を辞任したい」とのことでございました。─────────────────────────────────────  かつては、現在もそのような気がいたしますが、政権与党が選挙の応援に地方へ来るときには地方の事業に対して、我が党に任せてほしいとか、報復予算というあめとむちを使ってきたことから見ても明らかでございます。──────────────────────────────────中央陳情体質という中央集権、補助金政治についての変革が今求められている中で、────────────────────────────────────────────地方分権推進という本質を忘れ、まやかしのかけ声に終わらないように、縁の切れ目が金の切れ目か、お金の切れ目が縁の切れ目かわからないような、こういう体質を改めることが地方から必要でございます。単なる陳情行政ノーに対する批判は財源も含めた権限の地方への移譲の近い将来、どのように権力への集中を図っていくのでしょうか。  現状で、地方と中央の適切な関係はどういう関係でございましょうか。そうはいっても、当面する数多くの県政の課題に対し、これまでの国への働きかけについてどのような変化があるのでしょうか。そして、来年度国家予算に向けてどのように取り組んでいかれるのか、その姿勢を伺います。  もう一つは、能登総合開発促進協議会などがJR西日本金沢支社へ支援要請の陳情に行った際、JR出向社員の給与負担削減という逆提案を受けたとのことであります。これまでのお願い陳情体質が見直されなければならない時期に来ているのではないでしょうか。  相手がどのような状況にあるのか、的確な状況分析が必要ではないでしょうか。このことは身近なところでも常に情報収集が必要であるということでございます。どうでしょうか。今後の姿勢について伺いたいと思います。  さらに、これまで依然として進展が見られない国際便についてはなおさらのことでございます。香港・ドラゴン航空問題や、最近では降ってわいたようなウズベキスタン共和国への乗り入れ問題など、その成果を上げようと躍起になっているようであります。それぞれこれまでの取り組み経過と今後の取り組み姿勢、見通し、その根拠について明らかにしていただきたいと思います。  次に、福祉行政であります。  去る六月に発表された平成十年度厚生白書のテーマは「少子社会を考える ─こども を産み育てることに「夢」を持てる社会を」であることは既に御案内のとおりでございます。その冒頭で、「日本は結婚や子育てに「夢」を持てない社会になっているのではないだろうか」との投げかけがございました。これまでの経済、産業優先の日本型社会から人間復権について各方面で関心が寄せられていた結果、スピードの遅い速いはあるにせよ、取り組みが始まっており、地域社会から積極的に成果が上がるようにしなければなりません。  ここで一つの新聞記事を紹介いたします。某新聞の九月九日付で「ねえねえちょっと」のコーナー。「二歳の子供を抱えて入院どうしよう」と悩む本当に困っていますさんの記事であります。二歳の子供を残して入院しなければならない親子三人の核家族からの訴えであります。「役所に相談に行って日中は保育園で見てくれることになったが、しかし夫は二交代制勤務で送り迎えができない。ホームヘルパーもだめ。両親や親類も遠くに離れ仕事を持っている。最近引っ越したばかりで知り合いもない。どうしたらいいのでしょう」という内容であります。  以来約一週間、電話と手紙、ファックスが約百四十通にも及び、「こんな支援グループがあります」、「私が預かっても」など多くの心温まる励ましだったそうです。エンゼルプラン、子育て支援施策推進など、行政としての努力もされているわけでございますが、困っているときどこに相談していいのか、役所もわからないということであります。しかも、一つの情報を得るのに何カ所も連絡しなければならないのであります。このことは子育てに関し、それぞれの地域で困ったときに必要な情報が一括して得られる受け皿づくりが必要であり、行政としての役割を改めて問われた内容だと思います。  結果的に、遠くにいる看護婦の母親が夜勤を免除してもらい、子供を預かったそうであります。感想と行政の果たさなければならない役割は何かについて改めて伺うものでございます。  次に、石川県老人保健福祉計画であります。これまでの経過は省略いたしますが、確かに県内市町村のボトムアップから新ゴールドプランの趣旨が尊重されているとの見方もございますが、全国のホームヘルパーの数は十万人から十七万人に設定が見直しされる状況の中で、全国の百分の一に換算されております石川県の実情でどうでございましょうか。  国の今年度予算規模も十五万人を超えておりますが、県の計画が足かせとなって要員確保の取り組みが頭打ちになっているのはないでしょうか。目標の平成十一年度常時雇用換算で七百七十二名にこだわりがあるのか。単純計算で全国水準には二倍が必要であり、目標を超えるホームヘルパー配置についての明確な姿勢を伺いたいと思います。  また、二〇〇〇年四月、介護保険制度導入という新たな局面に対し、本県の介護保険事業支援計画の策定も来年度進められていくことでありますが、市町村の介護保険事業を円滑に実施するためには県から広域的な支援や人材確保、育成などの措置が必要であります。そして、保険あって介護なしという不信にこたえるために、介護給付対象サービスの見込み料の設定をどのように見ていくのか。あわせて、県民が県の計画策定の参画や意見の反映がどのようにできるのか、伺いたいと思います。  さらに、介護保険実施の前提は県老人保健福祉計画の基盤整備であると思いますが、これまでの達成状況と今後の見直しについての考え、具体的なスケジュールを改めて伺っておきます。  次に、福祉施策の充実がもたらします経済効果でございます。これまで、福祉には金がかかるとの先入観がありましたが、少子・高齢社会の進行の中で避けて通れないというより、行政の中心的課題となっております。  このようなことから、県エンゼルプラン、県老人保健福祉計画、県障害者プランというそれぞれの福祉施策がどのように経済効果をもたらすのかと考えているのでしょうか。既に幾つかの県でその調査結果も明らかになっておりますが、その考えを伺いたいと思います。  その歳出のため、どうすればいいのでしょうか。ここで県産業連関表という報告書があります。いわば経済活動における産業間取引も含めた経済の全体構造を明らかにしたものと言われておりますが、この資料は五年ごとに行われ、最も新しいものは平成七年三月につくられましたが、これは平成二年を取りまとめたものであります。これでは現在の分析に間に合うでしょうか。  毎日の株価の状況や失業率、三カ月ごとの経済成長率、福祉関連では一年、二年、三年ごとの統計発表などさまざまな形態がございます。少なくとも産業連関表という石川県の経済動向を的確に示す調査分析について迅速なものにできないのか。産業連関表の特徴とこれにかわるものがあるのかないのか、伺いたいと思います。  質問が多少違う方向にいきましたが、戻して福祉の経済効果を試算することができる前提を伺います。県老人保健福祉計画、平成六年度から九年度までの事業促進に基づく投資額はどれだけであったのか。そして、雇用創出状況はどうなのか。また、市町村への波及効果として純生産額、従業員数、税収増はどのようになってきたのか。これまでの取り組んできた各県の状況からは、建設投資中心の公共事業と比べ、同額で試算した場合、雇用者誘発数などを含めた大きな経済効果があったと報告されております。どうでしょうか。石川県としての経済効果と今後の見通しを伺っておきたいと思います。  最後に、都市計画についてであります。  鉄道の高架化であります。JR北陸線は、地域住民の日常生活に密着した公共交通機関であるとともに、その自治体の発展に極めて重要な役割を果たしていると位置づけられております。しかし、線路が地表面を走っていることにより、かつて駅などの周辺を中心に発達してきた市街地が現在の状況ではそれが分断され、両方面の交通が妨げられているばかりか、沿線市街地の効率的な土地利用と均衡ある発展に大きな影響を及ぼしているとされております。  このことから、いち早く金沢駅付近の連続立体高架化事業が行われてきました。今日までの事業の完成について、どれくらいの投資でどれくらいのメリットをもたらしてきたのか。また、これからの効果についても見通しを伺っておきたいと思います。  さらに、小松再生の夢をかけたと言われた総事業費三百五十億円、二〇〇三年度完成に向け、今年度六月より事業が始まったJR小松駅付近連続立体交差事業であります。この事業の進捗見通しはどうでありましょうか。文字どおり小松再生の効果についてもどのようになっていくのか、伺っておきたいと思います。  また、今春、松任市から要望が出ております松任駅周辺連続立体交差化事業の早期実現に向けての見通しについて伺いたいと思います。御多分に漏れず、市街地が南北に分断されているため、踏切部における交通の円滑化はもちろん、市街地の均衡ある発展に対し、大きな阻害要因となっております。このことは、松任市にとって欠くことのできない重要な事業と位置づけられていくと思います。事業の可能性調査などを含めた見通しについて伺っておきたいと思います。  新県庁舎完成時に向けての交通体系と道路網の整備であります。新しい交通システム導入調査や総合都市交通体系調査が金沢市を中心に進められておりますが、もっと金沢周辺を網羅した計画、整備にすべきではないでしょうか。このことは経済・生活圏が金沢市からその周辺に大きく広がっていることからも明らかであり、仮に金沢市が交通政策でその線引きをするようなことになれば、周辺の住民にとって大変不幸なことでございます。  この点から、県としてどのようにこれらの調査や計画についてかかわりを持っているのか。また、今後の関与についても伺っておきます。  さて、平成十四年度完成を目指した新県庁舎計画でございますが、加賀方面のアクセスとして高規格道路海側幹線が位置づけられております。既に一部で事業が進められておりますが、県庁舎完成までにどこまでの進捗めどを想定されているのでしょうか。状況と見通しを伺います。  さらに、海側幹線の全体構想についてであります。先ほどの高架化の要望とも関連しますので、計画の幅を持たせるところは持たせなければなりませんが、北陸自動車道とクロスする松任市の宮永町付近で高速インターチェンジ構想について考える時期ではないでしょうか。必要性と可能性についてどのように考えておられるのか、お伺いし、ちょうど時間となりましたので、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。(拍手) ○副議長(向出勉君) 谷本知事。  〔知事(谷本正憲君)登壇〕 ◎知事(谷本正憲君) 稲本議員の一般質問にお答えをいたします。  まず第一点は、財政問題でございますけれども、地方財政全体として昨今地方税収が大変落ち込んでおりますし、そしてまた特別減税等も実施をしなければいけない。その減収を補てんする。あるいは、景気対策が求められております。それに対応するために地方債を増発する。こういった形で、地方債の残高が大変増嵩してきておるわけでございます。  こういう中で、財政の弾力性とか健全性、そういったものの指標になります経常収支比率とか起債制限比率、以前に比して高まってはきておるわけでありまして、私どもも心配をいたしておるわけでございますが、これは石川県だけのことではなくして、四十七都道府県同じような状況に相なっておるわけでございます。財政力の類似団体とか全国平均等で比較をいたしますと、平成九年度の場合、石川県の経常収支比率は八二・六でありますけれども、全国平均が八八・二と、こういうことでありますし、起債制限比率が石川県は一一・〇、全国平均が一〇・七ということですから、ほぼ全国平均並みと、こういうことでございます。なお、公債費の負担比率につきましては平成九年度は二〇・三ということで、全国平均の一六・一を大分上回っておるわけでございますが、これは平成九年度は百五十億ぐらいに上る繰上償還を実施をしたと。用地先行取得会計で保有をしておりましたものを繰上償還したという、そういう特別な事情がございます。そういったものがなかったとすれば一五・六ということでございますから、全国平均の一五・八を少し下回っておると、こういうことでございますので、大体全国平均よりは少し下回っておるかなと、こういう状況でございますが、ただ全体としては増嵩傾向にあるということでございますから、最後の頼みはやはり景気が一日も早く回復軌道に乗ってもらう、こういうことに尽きるんではないのかなと、このようにも思うわけであります。  次に、地方分権の中で市町村合併についての御質問がございました。市町村につきましては、どの程度の規模が市町村としてふさわしいのかということについてはいろんな議論があるようでございますし、ある数値によりますと人口十五万から二十万ぐらいの市町村が人口一人当たりの行政コストが一番少ないんじゃないかという話もありますし、市町村の役割はこれから医療とか福祉とか教育とかまちづくりとか、そういうことになってきますと、人口二、三万ぐらいの市町村の規模が一番住民一人一人にまで、かゆいところにまで手が届くのではないかという、そういう御指摘もあるわけでございます。  いずれにしましても、それぞれの市町村、無理のない形で行われることが大事であろう、このようにも思うわけでありまして、私どもも県民の皆さん方に対しましては合併のメリットあるいは合併機運の醸成、そういったことを図っていくことが大事であろう、このようにも思っておるところでございます。  次に、国家予算との関連についての御質問がございました。流れは地方分権の流れが大きく加速されるような状況でございますけれども、財源の移譲がまだ定かではない、こういう状況でございます。行政サービスは三分の二地方が受け持っておりますけれども、財源は三分の一しか付与されていないという現状があるわけでございます。こういった中で、各地域の実情を理解をしていただくということも現実問題としては大変大事なことではないのかな、このようにも思っておるわけでありまして、地域の思いとか意気込みとか実情、そういったものを政府に御理解をいただく。あるいは、社会資本整備のおくれ、そういった地域の実情も御理解をいただくということは大変大事なことだと、このようにも思っておるところでございます。  そういった意味では、国に対してもそういった実情は率直に訴えてまいる必要があろうと、このようにも思っておるわけでありまして、それぞれ県選出の国会議員の皆さん方にもそういった実情、地元選出の国会議員の方々でもございますので、実情をお話をしたいと思いますし、それぞれ議会の議員の皆様方の御協力もお願いをいたしたい、このようにも思っておるところでございます。  ただ、こういった要望をする際にはもちろん的確な分析とか情報収集、議員御指摘のように大変大事なことでございます。そういった意味では、私も含めてでございますが、職員一人一人がさらにアンテナを高く張りめぐらせ、そして幅広い情報収集活動を行っていくということも大変大事なことであろうと、このように考えているところであります。  次に、福祉行政についての御質問がございました。新聞を引き合いに出しての御質問でございますが、石川県の場合には一時保育あるいは短期の入所援助事業、いわゆるショートステイでありますとか夜間の養護事業、こういった事業を実施しておるわけでありますが、保育サービスを必要としておられる、そういった家庭に迅速かつ正確な情報提供ができなかったというのはある意味では大変残念なことだというふうに思っておるわけでございます。これは他県のお話でございますけれども。  私ども県におきましては、まさにいしかわ子育て支援財団というものを設立をいたしております。この財団を活用してインターネット等を通じまして育児情報のホームページの開設でありますとか、こどもダイヤル相談あるいはデパート等の休日相談の開設でありますとか、子育て便利帳というようなものをつくりまして配布をいたしております。こういった取り組みをしておるということをもっともっと県民の皆さん方に周知をしていくということが大変大事だというふうに思います。そういった意味では、市町村との連携は欠かせないわけであります。これからもひとつそういう情報提供にさらに努力をしてまいりたい、このように考えているところであります。  以上でございます。 ○副議長(向出勉君) 枝廣総務部長。  〔総務部長(枝廣直幹君)登壇〕 ◎総務部長(枝廣直幹君) 財政問題につきまして事務的に一点だけ補足をさせていただきます。  経常収支比率や公債費負担比率につきまして、国の目安があるのかどうかという御質問がございました。私ども理解する限り、国は正式にはこの健全化指標につきましての基準を示してはおりません。ただ、経常収支比率につきましては一般的には七〇から八〇が好ましいと、こう言われておりますことから、全国的に八〇を超える自治体がふえているとはいえ、常にそうしたあるべき姿を念頭に置きながら財政運営に努めてまいりたいと、このように考えております。  それから、行財政改革につきまして県の業務のあり方あるいは定数問題の考え方につきまして御質問がありました。地方分権がこれから進展してまいりますと、地方自治体の自主性が高まる。そして、責任も大きくなっていくと。そういう意味からいいますと、市町村も含め県の業務の中身が高度化をしてくる。そして、いろいろなニーズに的確に対応する、こうした役割がふえてこようかと思います。  一方で、職員定数につきましてはこれまで徹底したスクラップ・アンド・ビルドによりまして総数の増加を極力抑制する中で業務量の増大あるいは業務の質の高度化に対応した、そして対応できるような適正配置に努めてきたと、こういうことであります。  現在、全般的な見直しの議論の中にありますが、これまでのこうした考え方を十分説明をしながら、またこれからの定数の管理のあり方につきましては民間有識者からなります行政改革推進委員会の御議論や、あるいは議会の御指導をいただきながら結論につなげてまいりたいと考えております。  最後に、県職員の健康管理につきましてお答え申し上げます。入院件数でありますが、最近三カ年の平均──これは平成七年度から九年度までの三カ年でありますが──をとりますと、三百五十九件となっております。ただ、近年その数が特段に増加の傾向にあると、というふうにはとらえてはおりません。  職員の健康管理につきましては全職員に対しまして定期的に健康診断を受けさせる、あるいは一定年齢以上の職員に対しましては生活習慣病や短期の人間ドックを受けさせる、こうした指導をこれからも強めてまいりたいと思っております。  また、業務量についての御質問がございました。先ほど申しましたように、業務量の処理に当たりまして効率的な配慮を行ってきたわけであります。ここ数年の年休の取得日数あるいは総労働時間をとりますと、平成八年度のタンカー重油流出事故におきます業務量の一時的な増加と、こういうものを除きますとほぼ横ばいで推移をしております。年休につきましては、平成七年度八・〇日、平成八年度七・五日、平成九年度七・九日と、例えばこのようになっております。  ただ、そうはいえ年休の計画的な消化まだまだ十分ではない面があると思います。今後とも積極的に年休をとるよう、そして職員の健康管理につきましても一層の充実を図るよう努めてまいりたいと思っております。  以上です。
    ○副議長(向出勉君) 荒川企画開発部長。  〔企画開発部長(荒川敦君)登壇〕 ◎企画開発部長(荒川敦君) 陳情のあり方についてのうち小松空港の香港、ウズベキスタン便の取り組み状況についてということでございます。  まず、香港便につきましてはドラゴン航空の小松空港への正式乗り入れ表明を受けまして関係機関への働きかけなど、地方公共団体としてできる限りの取り組みは行ってまいるということで、運輸省や防衛庁の御理解もいただいたわけでございますけれども、残念ながらと申しますか、その後中国返還前の香港ブームの反動ですとか、この経済情勢の悪化などに伴います旅客需要の急激な落ち込みがございまして、現在のところ政府間の航空交渉の開始には至っておらずに早期の開設は困難な状況にありますけれども、今後ともドラゴン航空ですとか香港特別行政区からの情報収集活動に努めながら地道な誘致活動を続けていくことが必要であると考えております。  また、小松空港との旅客定期便開設の可能性を検討していると、そういう表明があったウズベキスタン便につきましては去る七月二十七日から八月一日までの間に、小松空港国際化推進県議会議員連盟の訪問団が同国の政府及び航空会社を訪れましてウズベキスタン航空の小松乗り入れを要請してきたというところでございます。  これに対しまして、ウズベキスタン側からは路線開設には十分な旅客需要が前提である。チャーター便の実施などを通じて路線開設について検討を進めるとともに、今後さらにウズベキスタンと石川県との文化交流を検討したい、そういうお話がございました。私どももさらなる情報収集に努めまして、今後ともこちらについても地道な誘致活動を続けてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、今日世界的に非常に厳しい経済情勢でございますけれども、積極的に情報収集に努めまして国際化推進議員連盟あるいは地元小松市ともども少しでも小松空港への就航に関心を示しております航空会社に対しましてはアンテナを高く張りまして働きかけを続けて、小松空港の複数路線化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  次に、福祉行政についての中で県の産業連関表の作成が遅いのではないかというお尋ねがございました。産業連関表につきましては、国、それから県ともに五年ごとに公表しております。最新の話で申し上げますと、国においては去る九月に平成七年の産業連関表、これ速報でございますが公表されまして、今年度末には確報──最終版ですね──が公表されるということになっております。  この平成十年の今なぜ平成七年の数値が出るのかということでございますけれども、国の方では平成七年の各種の経済データを、七年のデータを八年、九年の二カ年をかけて集計あるいは処理をすると。三年目の十年度、この平成十年度において分析検討する。都合三年間をかけるという膨大な作業を行っているということに伴うものでございます。  そして、国の産業連関表をもとにいたしまして、次に私ども県の産業連関表を作成するということになりまして、その作業、国の産業連関表をもとにした作業に一年ほどどうしてもかかるということで、県版の産業連関表の公表は平成十一年度末となってしまうというものでございます。  この産業連関表の特徴でございますけれども、県内の各産業の相互の依存関係ですとか、よその地域との依存関係を明らかにいたしまして、経済構造の分析、経済施策の効果を予測する経済モデルということでございまして、生産活動における途中の産業間取引も含めた経済の全体構造を明らかにすると、そういう全体を明らかにするという意味におきまして他に例を見ないものであるというふうに考えているものでございます。  以上でございます。 ○副議長(向出勉君) 藤井厚生部長。  〔厚生部長(藤井充君)登壇〕 ◎厚生部長(藤井充君) 福祉行政につきまして数点お答えを申し上げます。  まず、ホームヘルパーについてでございます。現在、県内には常勤、非常勤を合わせまして千人のホームヘルパーが登録をされ、活動をしているところでございます。  県では、これまで早朝から夜間まで一日何回でも必要なホームヘルプサービスを提供する巡回介護型ホームヘルプサービスなど、地域の実情に応じた各種の事業の実施によりホームヘルプサービスの充実を支援をしているところであり、活動実績も年々向上をしております。  ホームヘルプサービスの実施主体は市町村となっておりますことから、住民の需要に応じたホームヘルプサービスが実施できるようホームヘルパーの確保も含めて市町村を指導してまいりたいと考えております。  次に、介護保険制度における介護サービス見込み量の設定と県民意見の反映について御質問がございました。介護サービスに係る必要量の見込みにつきましては、現在県下一斉で実施をしております高齢者実態調査の結果を踏まえまして、各市町村において設定をされる介護サービス目標量に基づき、県の介護保険事業支援計画を平成十一年度中に定めることとしております。  計画の策定に当たりましては、保健・医療・福祉関係者はもとより県民の方々の意見の反映にも十分留意をしてまいりたいと考えております。  次に、老人保健福祉計画について御質問がございました。介護サービス基盤の充実につきましては、現在平成十一年度を目標年次といたします老人保健福祉計画に基づき、その着実な整備を進めているところでございます。現時点ではおおむね目標達成のめどがたつまでに至っているところでございます。老人保健福祉計画の見直しにつきましては、平成十一年度に行う予定としております。  次に、福祉施策の経済効果について御質問がございました。福祉の充実がもたらす経済効果につきましては、他県におきまして調査を行った例があるということを承知しております。本県では、このような調査を実施していないため、老人保健福祉施設の整備が及ぼす経済的効果については把握をしておりませんが、福祉は地域経済の負担になるというこれまでの認識から新たな社会資本としてとらえる考え方が最近では広がりつつあるなど、福祉が社会において果たす役割がますます大きくなっていっているというふうに考えております。  なお、本県における平成六年度から九年度までの四年間の老人保健福祉計画に基づきます特別養護老人ホームなど、老人保健福祉施設の整備における投資額は総額で約二百二十八億円となっておりまして、それに伴う波及効果につきましては、県が把握をしております施設等従事者の雇用創出状況として、老人保健福祉施設、ホームヘルパーなど合計で千三百人余りとなっております。  以上でございます。 ○副議長(向出勉君) 中島土木部長。  〔土木部長(中島浩君)登壇〕 ◎土木部長(中島浩君) 土木行政につきまして順次お答えをいたします。  まず、鉄道高架事業についてでございます。金沢駅付近連続立体交差事業は北陸本線の犀川から浅野川の間二・七五キロメートルにつきまして、昭和五十年に県事業として新規補助採択がされ、総事業費四百四十五億円を投資して、平成三年七月に完成いたしました。この結果、踏切二カ所の除却及び東西を結ぶ都市計画道路の八路線の拡幅整備がされまして、交通の円滑な確保がなされました。  また、駅西土地区画整理事業や駅前市街地再開発事業等によりまして、周辺の市街地整備が促進されたこと、さらには新たに高架下空間が生み出されまして有効利用がされたこと、あるいは現在進められております新幹線用地のスムーズな確保につながりました。今後とも県都金沢の玄関口である駅周辺の活性化に大きく貢献するものと期待しておるところでございます。  続きまして、小松駅付近連続立体交差事業についてでございます。平成五年に北陸本線の小松市大領中町から園町に至る延長三・六キロメートルの事業採択を受けまして、平成九年十月には仮線工事に着手いたしました。現在、本年十一月の仮線への切りかえを目指して工事中でございます。  本年度末の進捗率は、事業費ベースでいわゆる連立事業が三四%、側道事業が六〇%でございまして、平成十五年度完了の予定でございます。この効果といたしましては、五カ所の踏切の除却と都市計画道路七路線の拡幅整備がございます。また、あわせて実施いたします駅東、西の土地区画整理事業あるいはこれに加えまして六月補正におきましてはれんが通りの整備を都市ルネッサンス事業で新規採択したところでございまして、中心市街地の活性化へ大きな波及効果をもたらすものと期待しているところでございます。  次に、松任駅付近連続立体交差事業についてでございます。松任市では平成四年度に市単独で連続立体交差事業の可能性調査を実施いたしまして、また平成六年には促進協議会を設置するなど、市独自の検討を進めていると承知しております。本年度も関連街路網やさまざまな検討をしているところと聞いておりまして、県としても指導助言を行っております。  この事業は膨大な事業費を要するために、実施に当たりましては周辺のまちづくりを含めた総合的な事業効果を備える必要がございます。このため、JR松任工場の移転を含め、北陸本線を挟む南北の市街地整備など十分な検討を行うことが不可欠でございます。現在、市独自で取り組んでいることでございますので、県といたしましてはその検討結果を見守ってまいりたいと考えております。  続きまして、新県庁舎完成時における交通体系についてでございます。金沢市と周辺市町は市街地が連檐しておりまして、都市交通上の結びつきも強いことから、従来から金沢市、松任市、野々市町、鶴来町、津幡町、内灘町の二市四町を金沢都市圏としてとらえまして、過去三回にわたりまして総合都市交通体系調査を実施して都市交通のマスタープランを策定してまいりました。  一方、新交通システムの導入調査については、これはむしろ金沢市の都心部の交通施設整備の必要性と、そういった観点から調査を行いまして、平成八年度から県と金沢市が共同調査で検討を進めてまいっているところでございます。  今後とも金沢の外環状道路など都市圏全体として検討が必要な課題につきましては、周辺市町も含めた協議会組織等により検討を進めてまいる所存でございます。  続きまして、高規格道路海側幹線についての御質問にお答えをいたします。金沢外環状道路海側幹線は松任市乾町から金沢市今町間十八・五キロで、平成七年八月に地域高規格道路の調査区間の指定を受けました。このうち金沢市の福増町から戸水町間六・二キロが平成八年の八月に整備区間の指定を受けまして、平成九年度には事業着手したところでございます。  この海側幹線は高架構造となる本線部分が四車線、側道部分を合わせまして八車線の計画となっております。現在事業中の区間は、県、市の共同事業といたしまして建物移転や用地の取得を鋭意行っているところでございまして、今年度末における用地補償の進捗につきましては約四五%の見込みでございます。  この側道部分の工事につきましては、用地取得の状況にもよりますが、平成十二年度より本格的に着手することといたしておりまして、新県庁舎の完成時には当該事業中区間につきましては暫定二車線で供用することといたしているわけでございます。  それから、海側幹線の本線高架部と北陸自動車道とのインターチェンジについてでございます。これにつきましては、現在の都市計画決定には盛り込まれていないところでございます。現在は側道部分の整備を優先しておりますので、北陸自動車道との接続につきましては将来本線高架部を整備する時点で検討すべき問題と、このように認識しております。  御質問の高速インターチェンジでございますが、これは金沢西インターチェンジとの間隔が二キロメートルと近接することにもなりまして、インターチェンジの最小設置間隔を下回ることなど解決すべき課題が多々あると考えておりますが、今後とも必要性及び可能性につきまして研究をしてまいる所存でございます。  以上でございます。  〔北村茂男君発言を求む〕 ○副議長(向出勉君) 北村茂男議員から発言要求が出ております。これを認めます。 ◆(北村茂男君) ただいま稲本議員の発言中、極めて不適切かつ我が党に対する言動に極めて残念な部分がありました。したがって、発言を求めたものであります。  加賀開発における我が党所属一議員から、さきの参議院選挙等々を通じて陳情政治が否定されたと。ある意味では県民の総意だから陳情する協議会である加賀開発促進協議会のその意味はなくなったのではないかという発言があったことは、当時の責任者として認めているところであります。  しかしその後、我が党として加賀開発促進協議会を否定したり、能登開発を否定したりという対応をいたしておりませんし、ましてや建設省出身の人を落としてだれに頼みに行くのかなどと発言したとは認めておりません。したがって、重大な発言に誤りがあると認定せざるを得ません。  したがって、この問題、この発言等々については議事録を調査の上、削除を求めたいと思います。   ───────────────────────────────────────────────────────────とかいう発言がありました。───────────────────────────公党として絶対に許すことはできません。  したがって、稲本議員の過去にもこの種発言における削除の前歴があります。私はこれらの問題を通じて、公の場を通じて、我々公党に対する陳謝を強く求めます。  議長においては善処されるよう強く望んで発言を終えます。  以上。 ○副議長(向出勉君) 後ほど会議録を調査の上、不適切な発言があれば善処いたしたいと思います。  以上をもって質疑及び質問を終結いたします。        ─────・──・────── △議案等の委員会付託 ○副議長(向出勉君) 次に、知事提出議案第一号ないし第十八号及び報告第一号ないし第三号並びに請願第四十九号をお手元に配付の議案等付託表及び請願文書表のとおり所管の常任委員会に付託いたします。        ─────・──・────── △休会 ○副議長(向出勉君) 次に、休会の件についてお諮りいたします。  委員会審査等のため九月二十八日から十月一日までの四日間は休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と言う者あり〕 ○副議長(向出勉君) 異議なしと認めます。よって、以上のとおり休会することに決しました。        ─────・──・────── △閉議 ○副議長(向出勉君) これをもって本日の議事は終了いたしました。  次会は、十月二日午後一時より会議を開きます。  これにて散会いたします。   午後三時五十分散会        ─────・──・──────...